地球温暖化や持続可能な社会という観点からCO2排出量の少ない環境に優しい車が注目されている。その代表は充電によってエネルギーを蓄えるEV(電気自動車)と水素と酸素を化学反応させることで自ら電気を作り出すFCV(燃料電池自動車)だ。今のところ技術的制約からどちらもメリット・デメリットがあるが技術の進歩によって様相も徐々に変化してくるだろう。
両車両とも未だ完成されたものとは言えず、それが故に膨大な研究開発投資が注ぎ込まれている。その減価償却を考えても価格は従来の車両と比べ高いものとなっている。現時点における消費者のEV車、FCV車への意識はどのようなものであろうか。
市場調査業のGfKジャパンが10月、全国のドライバー約1万6000名を対象にEVとFCVの認知や購入状況に関するインターネット調査を実施し、8日にその集計結果を発表した。
EVおよびFCVに関する認知度については、EVで「どのようなものか理解している」と回答した者の割合は58%と半数を超え、「詳細は把握していないものの名前は聞いたことがある」が35%、「知らない」は7%で、少なくとも名前だけは知っている者は93%となり、ほとんどの者がEVを認知しているようだ。
一方、FCVでは「どのようなものか理解している」40%で半数を切り、「名前だけ」は39%、「知らない」が22%となっており、認知率は79%ということになる。内容についての理解は浅いもののFCVも約8割の者が認知しているようだ。
EVとFCV のいずれか一方でも認知しているドライバーに対して、それぞれのイメージについて聞いたところ、両者とも「価格が高い」が最も高く、ともに68%と7割近くが価格を高めに認知しているようだ。またEVについては「充電に手間がかかる」、FCVについては「水素の補給に手間がかかる」と回答している者の割合が半数近くあり、購入価格面に加えて充電や充てんの手間を懸念し利便性でデメリットがあると考えているドライバーが少なくない。
過去にEVもしくはFCVの購入を検討したことがある者は12%のみで、そのうち実際に購入したのは3%にとどまった。購入に至らなかった理由については「車両価格が高いから」が最も多く68%と7割近くになっている。
両車両とも未だ研究開発の段階でインフラも含め普及が進めば徐々に価格も下がってくるであろうが、日本では今しばらく時間がかかりそうだ。(編集担当:久保田雄城)