トヨタ/日産、住民サービス&災害時連携に向け自治体と協働を推し進める

2020年01月15日 06:38

Disaster measures

横浜市役所において、横浜市副市長の小林一美氏が電気自動車「日産リーフ」からの給電デモンストレーションを行ったようす

 自動車大手と地方公共団体が災害時の協力関係を強化する動きを加速させている。

 愛知県地区トヨタ販売店、トヨタレンタリース店、トヨタホーム店(愛知県オールトヨタ)とトヨタ自動車は、高齢者社会を迎えるにあたり、より魅力ある地域社会の実現などに向けた取り組みを積極的に進めている。そのなかで、愛知県と連携・協力した活動をより一層深化させることを目的に、2020年1月14日に愛知県と「地域活性化に関する包括連携協定」を締結したと発表した。

 今回締結した協定は、「防災・災害サポート」「移動支援・生活関連サービス」「地域住民の憩いの場や、まちの賑わいづくり」「交通安全」など5項目。愛知県オールトヨタ、およびトヨタ自動車では、これまでも各社・グループでさまざまな連携・協働を図ってきたが、「災害サポート」では「電動車(HV・PHV・FCV)試乗車を活用した災害時給電」「販売店店舗等における災害時の帰宅困難者支援」を中心に実施。「地域住民の憩いの場や、まちの賑わいづくり」では、「平日の店舗スペースを活用した地域住民向けイベント・教室等に関する協力・連携」などが活動事例として挙げられる。

 愛知県オールトヨタ、およびトヨタ自動車は、生活者を取り巻く環境は大きく変化していること、またそれにともない地域におけるニーズも多様化しており、地域やそこで生活をされている住民の困りごとに寄り添うサービス提供を加速したいと考えの元、トヨタ自動車の地元である愛知県と今回の締結に至った。

 いっぽう、横浜市に本拠を置く日産自動車も、同じく1月14日に神奈川日産自動車および日産プリンス神奈川販売と協働で横浜市と「災害時における電気自動車からの電力供給の協力に関する協定」を締結した。この協定により、横浜市の災害時の電源確保のための貴重な取組として、電気自動車(EV)の蓄電機能を活用し、災害対策を強化していく。

 横浜市では、脱炭素化の実現に向けた「Zero Carbon Yokohama」を掲げ、低炭素型次世代交通の普及促進や、EVを非常用電源として活用する体制の整備に取り組んでいる。

 また同市は、脱炭素化の実現に向けた「Zero Carbon Yokohama」を掲げ、2030年度までに一般公用車におけるEV等次世代自動車の割合100%を目標とするなど、低炭素型次世代交通の普及促進に取り組んでいる。

また、市内全区役所(18区)に外部給電器を配備し日産自動車でも、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に発表のEVを活用した日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』をスタートさせている

 こうしたなか、EVを非常用電源として活用する取組にお互いが賛同し、災害対策を中心とした具体的な連携協定の締結を行う運びとなった。日産にとって、今回の横浜市との「災害連携協定」は、全国で18件目の自治体・企業との災害協定締結となる。

横浜市では、脱炭素化の実現に向けた「Zero Carbon Yokohama」を掲げ、2030年度までに一般公用車におけるEV等次世代自動車の割合100%を目標とするなど、低炭素型次世代交通の普及促進に取り組んでいます。また、市内18区の全区役所に外部給電器を配備しEV蓄電機能の周知と非常用電源としてEVを活用する体制の整備に取り組んでいた。

日産自動車では、今回の横浜市との「災害連携協定」の締結により、自治体・企業との災害協定締結は18件目となりました。

 これらふたつの協定は、EVの蓄電機能を活用することで地方自治体の災害対策を強化し、大規模な災害から市民の生命、身体及び財産を守ることが最大の目的だ。自動車会社がそのシェアリング機能を活かした災害時支援策として今後定着しそうだ。(編集担当:吉田恒)