AI活用などのオフィスオートメーションの普及にともない社員の創造性の発掘がより重要な時代になってきた。企業が組織である限り、その創造性は組織全体として発揮されねばならず社員間のコミュニケーションのあり方が企業全体の創造性を規定する時代と言ってもよい。
Dropboxの日本法人が日本国内のナレッジワーカー・企業・組織の有職者800名を対象に企業の創造性とITツール利用に関する実態調査を実施、1月24日にその結果を公表している。
調査結果によれば、ITツール利用で業務効率が上がったと答えた者の割合は約4割の39.3%であった。特に20代ではコミュニケーション効率の改善を感じる傾向が強く「仕事相手とのやり取り、コラボレーションがしやすくなった」と答えた者の割合が56.8%と6割近くに達し、「業務上のやり取りにおけるストレスが軽減した」は45.5%となっている。
一方、50代では前者が30.7%、後者は31.7%と低くなっている。特に前者の回答では20代に比べ26.1ポイントもの差がある。20代・30代などの若い世代ほどITツールの利用効果を強く実感し「仕事相手とのやり取り、コラボレーション」の利便性を高く評価する傾向があるようだ。
一方、ITツールの活用による業務への弊害については、「業務時間外のメール・チャット対応が増えた」37.3%、「欲しい情報が探しにくい」32.0%、「ツールが多すぎて気が散る」30.9%など集中力を阻害している実態もうかがえる。
「ツールが多すぎて気が散る」と回答した20代は37.5%でシニア層と比べると10ポイント近く多く、若い世代はマイナス面もまた強く感じているようだ。
また本調査から創造性に繋がる「ひらめき」を得るためには実際に現場を見たり、その状況を把握したりできるツールの導入やプライベートの時間確保に対する意識が高いことも明らかとなった。
「みんなが積極的にアイデアを思いついている」と回答した者は16.9%と低い結果であったが成長性が高い層では24.5%、満足度が高い層では24.1%と組織や自身の業務を高く評価している者ほど「新しいひらめき」を重視しているようだ。
レポートでは「リーダーはITツールのプラスの影響を最大化するとともに若手社員へのマイナスの影響を最小限に抑える必要がある」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)