学校法人加計学園(岡山県)運営の岡山理科大学が愛媛県に設置している「獣医学部」の入試に、韓国人受験者を不正扱いしているとの週刊文春報道を受け、萩生田光一文部科学大臣は5日の参院予算委員会で「事実関係を含め確認を求めている。速やかな回答を求めたい」と語り、寄せられた回答を「国会にも報告する」とした。
文春報道によると昨年11月行われた獣医学部獣医学科の推薦入試の際、韓国人受験生全員の面接試験を一律0点にし、不合格にしていたと複数の学園職員が内部文書とともに明かした、としている。
立憲民主党の石川大我議員がこの問題を取り上げた。萩生田大臣は「入試不正疑惑が報じられたことは承知している」としたうえで「昨日(3月4日)、文科省として岡山理科大学に対し推薦入試の状況や報道されている事実関係等を含めて確認を求めている」と答弁。「(大学に対し)速やかな回答を求めていきたいと考えている」と答えた。
また、萩生田大臣は「一般論として、大学入試は公正かつ妥当な方法により行うことが求められている。合理的理由なく出身地域、居住地域などの属性によって一律の取り扱いに差異を設けることは不適切である」旨を語り、岡山理科大学側からの回答については「そんなに時間がかからないと思っている。(回答があり次第)国会にも報告したい」と答弁した。国際問題にもなりかねない問題だけに早期の真相解明が求められる。
岡山理科大学を巡っては四国枠での入学者が2020年度合格者「ゼロ」となっているほか、「岡山理科大学安全対策マニュアルでは大学内で可能な実験は『レベル1』及び『レベル2』で『レベル3、レベル4は岡山理科大学では不可能な実験』である」とされるなど、獣医学部新設時の当初目的と沿わない実態に疑問視する声もあがっている。(編集担当:森高龍二)