緊急事態宣言に伴い東京都は11日午前0時をもって、キャバレー、ナイトクラブ、ヌードスタジオ、マンガ喫茶、カラオケボックス、ライブハウスなど都内全域の遊興施設はじめパチンコ店、マージャン店、スポーツクラブ、水泳場など運動・遊戯施設、劇場、映画館、演芸場など多くの施設の営業を休むよう要請した。期間は5月6日まで。
都内の大学は構内立ち入り禁止措置をすでにとっているが、学習塾も休業要請対象に。一方、居酒屋など飲食店の営業は午後8時(酒類の提供は午後7時)までを条件に認めたが、売り上げ激減は否めない。
都は要請に応じた中小企業に対し「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止協力金」を創設し、最大100万円を支給するが、休業は事業者の経営圧迫、資金繰りへの影響は深刻だ。
感染拡大防止のために個々人が人との接触を7割、極力8割減らし、(1)換気の悪い密閉空間を避け(2)人との密集を避け(3)密接な会話を避けることに加え、事業者にもこの3密の徹底を求め、事業の休止を求めるのであれば『休業補償』を惜しむべきでない。
政府あげて徹底した感染拡大防止・ウイルス感染の収束を図るには、国策として『休業補償』を積極的に検討することが必要だ。現行の発表内容では店の看板を下ろし常連客のみを相手に「闇営業」も懸念される。手厚い補償があってこそ、暮らしや経営に不安を抱かずに行政に信頼をおけるだろう。
現行の内容では政府が行うのは事業者には売上げが大きく減った中堅・中小法人に最大200万円、個人事業主に最大100万円の現金給付。固定資産税の減免、法人税・消費税の納付猶予、ほかに実質無利子・無担保、最大5年間元本返済据置きの融資を民間金融機関にも用意したこと。
しかし、個人事業主にしても100万円は一か月で消える額。実質無利子も政府がカバーする3年間で、その後、利子は発生する。10年返済で運転資金を借りた場合、5年据え置きも、おしりを切られているため、均等割10年返済分を5年で返済することになり、6年目からの資金繰りは重くなりそう。
できうる限りのあらゆる手立てをとるというなら、政府は事業者や個人事業者の休業に対して損失補償を確実にすることを発表すべきだろう。
自主財源が豊かな東京都は「金額」はともかく、独自に都として休業要請に応じた事業者に最大100万円を支給できるが、都と同様に緊急事態宣言を受けている千葉、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、福岡はどうするのか。自治体任せでなく、財源支援をお願いしたい。(編集担当:森高龍二)