新型コロナ感染症対策の影響で企業の営業活動は大きく制約されている。企業を顧客とする営業活動、いわゆるBtoBマーケティングは営業活動の中でも直接顧客と会う必要のある営業活動の代表とも言える。BtoBビジネスにおいては大規模ビジネスイベントが延期や中止になるなど大きな影響を受けているが、さらに営業活動を担当する自社社員がリモートワークになっているだけでなく顧客側の社員もリモートワークとなっているなど接触の機会が大幅に縮小し、コロナ時代の新しいマーケティングモデルを模索して行く必要がある。
マーケティング業のファストマーケティングが4月下旬、企業のマーケティング担当者82名を対象に「新型コロナ禍におけるBtoBマーケティングの現状調査」を実施、その集計結果を13日に公表している。
集計結果によれば、実施したことがあるマーケティング施策を複数回答で聞いたところ、「展示会・セミナー(オンラインを含む)」が30.5%と最も多く、次いでSNS広告とダイレクトメールがそれぞれ24.4%、Web広告と新聞・雑誌・業界紙広告が19.5%という順になっている。やはり人が集う展示会やセミナーがBtoBマーケティングの中心となっているようだ。
展示会やセミナーは安定的に大量のリード獲得が期待できる施策であり、スマートフォンの普及によりFacebookなどのSNS広告も幅広い層にリーチが期待できる施策である。レポートではこの集計結果からBtoBマーケティング担当者は「リード(見込み客)の獲得件数」や「リーチ(広告到達率)力を重視した施策を行っていると分析している。
利用しているツールを見ると「Web分析」、「アンケートツール」、「メール配信」となっており、重視しているKPI(重要業績指標)は「Web訪問数」、「顧客継続率」、「リード獲得件数」だ。課題としては「リードの獲得件数」13.4%と「予算の少なさ」12.2%となっている。
コロナの影響でBtoBマーケティングもオンライン化している。リードの獲得件数はBtoBマーケターにとって喫緊の課題であり、これまでWeb広告などのオンライン施策にあまり注力してこなかったオフラインメインの企業は今大きな岐路に立たされている。BtoBマーケティングのオンライン化は時間の問題であったがコロナの影響がさらにこれを加速させているようだ。(編集担当:久保田雄城)