梶山弘志経産大臣が国会答弁で「持続化給付金」の新たな業務委託に「事務局選定には、一般社団法人サービスデザイン推進協議会ありきではなく、透明・公平性を確保するために、入札可能性調査を行い、公募を経て、適切に行う」とした通りの選定を注視したい。
コロナ対策のための今年度第2次補正予算(一般会計31兆9000億円)が12日、成立した。あらたな「持続化給付金」業務事務委託費850億円も含まれている。GoToキャンペーンの業務委託でも経産省、国交省、農水省がそれぞれの分野でふさわしい委託先を選定する。こちらの規模は総額約3000億円。業務を適正、迅速に行う能力のある業者を公平・公正に選択し、選択経緯は透明性を確保するため、必要な情報を「全部開示」する強い姿勢で公募してほしい。
梶山弘志経産大臣が国会答弁で「持続化給付金」の新たな業務委託に「事務局選定には、一般社団法人サービスデザイン推進協議会ありきではなく、透明・公平性を確保するために、入札可能性調査を行い、公募を経て、適切に行う」とした通りの選定を注視したい。
電通などが設立した一般社団法人サービスデザイン推進協議会への持続化給付金の業務委託をめぐる国会質疑で分かった新たな情報や協議会から電通、電通の子会社、孫会社へ次々、委託や外注が行われた構図、さらに中小企業庁・前田泰宏長官とサービスデザイン推進協議会・平川健司業務執行理事(電通元社員)の関係を巡る週刊誌報道からは、769億円の業務委託料が協議会を通して電通と電通グループを軸にその多くが流れる仕組みになっている「電通ありき」の疑惑を深めるばかり。政府にはしっかり説明責任を果たす責任がある。
最大の原因は政府提出資料の大部分が「黒塗り」ペーパーで、公平・公正な選定がなされたのか、Aランクで応札した企業が提示した金額はいくらだったのか、それさえ情報を隠していること。
そしてCランクのサービスデザイン推進協議会がAランク業者より「高い評価」を受けた根拠、客観的評価資料は開示されていない。評価点数は各項目、トータルでどうだったのか。政府の不開示情報の多さが必要以上の疑惑を招く結果にもなっている。
さらに、週刊文春が報じた「前田長官と平川氏」との関係。12日の参院予算委員会でも日本共産党の山添拓議員が質問に立ち、両氏の関係を図式で指摘した。前田長官が商務情報政策局情報経済課長だった2009年、平川氏は電通プロジェクトマネージャーで「家電エコポイント制度」が実施されていた。そして前田長官が大臣官房審議官商務情報政策局担当の2016年に、平川氏はサービスデザイン推進協議会業務執行理事をしていた。この年に「おもてなし規格関連事業」(4680万円)を受託。2017年にはIT導入支援事業(約500億円)を受託。そして今回、持続化給付金事務事業(769億円)を受託し、746億円で電通に再委託していた。
山添議員は質問後、ツイッターに「持続化給付金の委託費をめぐる経産省と電通の不正常な関係は、少なくとも2009年に遡る」とし「中小企業庁の前田長官は必死で否定しようとしたが、当時家電エコポイント担当の課長で、関係する講演を行っていたことは認めた。癒着は続き、今回の事態に進展する」と書き込み「徹底解明すべきだ」とした。
不正、不公平のなかったことを証明するためにも「徹底解明を」野党に求めたい。政府・与党は情報開示に努め、国民の前に、納得のいく説明をしていただきたい。
電通は自民党本部の仕事は収支トントンでも必ずものにするようにとする姿勢ということを、関係筋から聞いたことがある。実際に党に深く入り込んでいるよう。同時に政府広報にも電通が入り込んでいる。
山添議員はこの日の質疑後のツイッターで「持続化給付金の委託費をめぐる経産省と電通の不正常な関係は少なくとも2009年に遡る。中小企業庁の前田長官は必死で否定しようとしたが、当時家電エコポイント担当の課長で関係する講演を行っていたことは認めた。癒着は続き、今回の事態に進展する。徹底解明すべきだ。2013~19年度(16年度を除く)で政府広報費218億6500万円が電通に発注されているとした。
一方、電通から自民党の政治資金団体「国民政治協会」に2012~18年で3600万円が献金され、2011年と13年、14年には安倍晋三総理が代表をつとめる自民党山口県第4選挙区支部に計30万円が献金されたとした。電通と自民、政府の距離の近さがうかがえる。そのことと、今回の業務委託は無関係と思いたいが、そのためにも明瞭な説明をお願いしたい。
第2次補正に盛られた「持続化給付金」業務、どこに委託されるのか、注目したい。(編集担当:森高龍二)