新型コロナ感染症の世界的流行でグローバリズムは減速気味だ。今年予定されていた東京でのオリンピックも延期になり、インバウンドについても今のところ先行き不透明で一時期盛り上がった日本人の英語熱もいくらか冷めている感もある。とはいうもののアフターコロナがどのような形になるにせよ少なくともオンラインによるグローバル化で英語を話さなければならない機会は増大して行くことは間違いない。
国際ビジネスコミュニケーション協会が現在英語を学習している20代~50代のビジネスパーソン500名を対象に2月に実施した「英語のスピーキングに関する実態と意識」に関する調査の結果を8日に公表している。
レポートによれば、「英語で話すことが好きか」という質問に対して「好き」と回答した者の割合は41.6%、「どちらかといえば好き」が43.6%で、合計すると85.2%が「好き」と回答している。また、「英語で話すことは得意か」という質問に対しては、「得意」が13.8%、「どちらかといえば得意」34.0%で、合計すると約半数の47.8%が「得意」と回答している。現在英語を学習中の者がサンプルなので「好き」、「得意」が多めになる偏りはあるであろう。
一方、「苦手」または「どちらかといえば苦手」と回答した52.2%にその理由を聞いた結果では、「語彙力に自信がないから」が60.9%で最も多く、次いで「流暢に話せないから」60.5%、「発音に自信がないから」53.6%という順になっている。「発音に自信がないため英語を話したくないと思ったことはあるか」という問いに対しては「思ったことがある」、「どちらかといえば思ったことがある」の合計は64.4%で6割以上が自分の発音を気にして英語を話すことに消極的になっているようだ。
「英語でのコミュニケーションにおいて一番重要だと思うものは何か」という質問に対しては、「伝えたいという気持ち」が25.8%で最も多く、次いで「語彙力」23.4%、「発音」22.4%、「話す内容」10.0%と続く。上位3つが20%を超えて目だって多くなっているが、この3つに大きな差はない。
この結果は「伝えたい気持ち」が最も大切と思いながら「発音」を気にする日本人の特徴が現れていて興味深い。英語はストレス(アクセント)の言語であるが、これを重要と思うものは9.4%のみだ。日本人が発音を必要以上に気にするのは日本語が発音中心の言語であるからかも知れない。(編集担当:久保田雄城)