SDGsマーケティング、8割の担当が「取り組むべき」。実施は3割のみ。定量化やノウハウが課題

2020年08月26日 06:09

画・SDGsマーケティング、8割の担当が「取り組むべき」。実施は3割のみ。定量化やノウハウが課題。

ジャストシステムが「マーケターのSDGsへの取り組みに関する実態調査」

 SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された30年までに実現されるべき国際目標であり、17のゴールと169のターゲットから構成される世界共通のアジェンダ(当面の課題)だ。

 このSDGsに既に取り組んでいる企業も少なくないが、その多くは大企業である。中小企業にとっては資金とマンパワーの不足を補うほどの投資価値をSDGsに感じられず優先順位が低くなってしまうのは当然とも言える。そこで中小企業をはじめ多くの企業がSDGsに取り組むきっかけとなりうるのが「マーケティング」だ。表面的なニーズに依存したマーケティングは持続的な利益を生み出さない。一方、SDGsは全ての人々の課題を含んだもので世界共通の評価軸があり幅広いニーズのあるビジネスチャンスを発見する契機となる。

 日本企業におけるSDGsマーケティングの現状については、ソフトウエア開発のジャストシステムが「マーケターのSDGsへの取り組みに関する実態調査」の結果レポートを19日に公表している。レポートによれば、20~59歳の企画・マーケティング・販売促進に従事する担当者348名のうち「SDGs」について認知している者は57.7%、約6割であった。

 認知しているマーケターに「マーケティング施策にSDGsを採り入れるべきと思うか」と聞いた結果では、「そう思う」が32.3%、「やや思う」は43.8%で合わせて76.1%が採用すべきと考えているようだ。しかし、実際に「マーケティング施策にSDGsを採り入れている」との回答は29.9%にとどまり、上場企業で41.6%、非上場では18.7%となっている。8割近くが採用すべきと考えながら実施しているのは3割で非上場では2割に満たない。

 「採り入れるべき」と回答した者にその課題を複数回答で聞いた結果では、「費用対効果の明確化」が50.3%で最も多く、次いで「経営層の理解」が49.7%、「知見やノウハウ」44.4%の順となっている。SDGsという定性的な課題をどのように定量化し収益率として可視化するか、その手法が具体化できず経営層を説得できていない現場の空気が伝わってくる。

 長期的視野ではSDGsが新たなビジネスチャンスを生み出し長期の収益率を増大させることは確実だ。それを具体化する定量化手法を発見した企業が将来に向かって競争優位を獲得できる。(編集担当:久保田雄城)