16日の菅総理誕生で新自由主義的社会に拍車か

2020年09月15日 05:57

 事実上の総理選挙ともいえる自民党「総裁」選挙は14日の両院議員総会で投開票され、国会議員394票、都道府県連代表に各3票割り振りした141票の計535票で決せられ、派閥主導の選挙戦を反映して、菅義偉官房長官が377票、岸田文雄政調会長が89票、石破茂元幹事長が68票の結果になった。棄権票が1票あった。

 菅氏への派閥の総流れ現象をうけ、菅氏は終始、優勢に選挙を戦い、告示日には当確状態。本来の選挙戦と違い今回は、地方票は141票と約3分の1に限定されてのものだった。地方票では菅氏が89票、石破氏が2番目に付け42票、岸田氏は10票にとどまった。岸田氏は派閥に助けられての総合数で2位になった格好。

 総裁に決まった菅氏は「安倍総理が進めてきた取組みを継承し、進める」と語った。菅氏は継承、推進に「私にはその使命があると認識している」と7年8か月にわたり、安倍総理と歩みを共にしてきた立ち位置、そして安倍継承者としての色合いを色濃く見せた。

 また自らの信条ともいえる「自助・共助・公助と絆」をアピールし、まずは自己責任の下、自分でできることは自分で行うスタンスを述べた。自己でできないときは家族や地域、それもできないときにはじめて「政府がセーフティネットで守る」という考え方を示した。

 また、菅氏は「役所の縦割り、既得権益、悪しき前例を打破し、規制改革を進め、国民のために働く内閣をつくる」と強調した。菅氏は16日召集される臨時国会での首班指名で「99代内閣総理大臣」に就任する。菅内閣の下で新自由主義的社会に拍車がかかるのではとの推測もある。(編集担当:森高龍二)