政府は農林水産物の輸出拡大に牛肉や牛乳・乳製品、茶、リンゴ、ブドウ、イチゴ、ブリ、タイ、ホタテ貝など27品目を輸出重点品目に設定し、ターゲットとする国別に目標金額を定めた具体的行動への「輸出拡大実行戦略」を30日開いた関係閣僚会議で決定した。
菅義偉総理は会議で「輸出額が昨年9000億円となったが、2025年2兆円、2030年5兆円の目標達成に向け、『輸出拡大実行戦略』を取りまとめた」と実現へ強い意欲を見せた。
菅総理は「国内の余剰を輸出するという発想から転換し、生産、加工、流通、販売に関わる全ての事業者がマーケットの求めるものを作るという発想に立つべく改革を行う」とした。
そして「世界に冠たる牛肉、イチゴを始めとする27の輸出重点品目を選定し、品目別・ターゲット国別に目標金額を入れて具体的な行動計画を設定した。実現に向け、品目別の団体の組織化などを行う」と語った。
また「輸出にチャレンジする農林水産事業者を後押しするため、リスクマネーの供給、輸出先国のニーズに特化した産地の育成などを支援する」とし「省庁の垣根を越えて、輸出先国の規制の緩和、撤廃に向けた協議、規制やニーズに対応した加工施設の整備などを行う」考えも示した。
牛肉では香港への輸出額(2019年51億円)を2025年には330億円に、米国に対しても31億円を2025年には185億円にするとしている。そのため米国に向けては「認知度向上のためのプロモーション展開や様々な部位を含めた輸出の促進を図る」などとしている。
リンゴでは台湾への輸出(2019年99億円)を2025年には120億円にするねらい。そのために「大玉で赤色の贈答用に加え、値頃感のある中小玉果の生産・供給体制を強化する」ほか、日本青果物輸出促進協議会の機能強化に向けた検討 ? 輸送実証、プロモーション活動などを支援していく方針。(編集担当:森高龍二)