総務省審議官ら総務省幹部多数が菅義偉総理の長男で東北新社勤務の菅正剛氏らから供応接待を受けていた問題で、日本共産党の藤野保史議員は25日の衆院予算委員会で東北新社による39回に及ぶ接待攻勢で、総務省の有識者会議「衛星放送の未来像に関するワーキンググループ」の報告書案が2020年報告書案では東北新社の要望を受けた内容を反映するものになっていると指摘した。
藤野議員は2018年の報告書案になかった人工衛星など「事業者側のインフラ利用料金の負担軽減」が2020年の報告書案に盛り込まれた。また2018年報告書では右旋帯域利用枠について「公募するか、新規参入が適当」という内容だったが、2020年報告書案では「4K事業者に割り当てるべき」となったと指摘した。接待攻勢の時期と報告書案の変更時期が集中していることに注視した。
総務省審議官時代7万円超の飲食接待を受けた山田真貴子内閣広報官は25日の衆院予算委員会で飲食懇談の際に「放送業界全般の話はあったかもしれないが、一般的な懇談だった。放送行政をゆがめるような働きかけはなかった」と旨を強調。
しかし、ワーキンググループの報告書案変更点が東北新社の要望と合致している点をどう説明するのか。日本共産党の志位和夫委員長は(1)「東北新社」は何の目的で39件もの接待を行ったか。(2)総務省幹部が我も我もと接待に応じた「理由」は何か。首相への忖度が働いたのではないか。(3)放送行政が歪められたのではないか「初歩的な疑問が不明なままだ」と提起し、東北新社、総務省双方の関係者の国会招致で更なる解明が必要としている。(編集担当:森高龍二)