武田良太総務大臣は16日の衆院予算委員会で東北新社やNTTから総務省幹部が高額な供応接待を受け、放送・通信行政が歪められたのではないかとの疑惑が生じている問題に対し、検事経験を有する弁護士や行政学者、放送政策の専門家、民間経営者ら、すべて第3者で構成する「検証委員会」を17日に発足させると答弁した。自民党・盛山正仁議員の質問に答えた。
武田大臣は「検証委員会は情報担当部署の本省課長級以上の144人を対象に、(今回の)倫理法違反の会食に限定せず、すべての事業者との会食について報告を求めるなど、正確に、徹底的に真相究明を行う」とし「行政が歪められたのではとの懸念に答えるため、検証委員会をあす立ち上げる予定」と答えた。
また「多くの国民に行政への信頼を失墜させたことを深くお詫びする」と述べた。大臣としての責任に関しては「こうした疑念を招かないよう、自ら先頭に立ち、総務省一丸となってコンプライアンスを確保し、国民からの信頼回復に努めることで責任を果たしていきたい」と述べた。
また東北新社の衛星放送事業を継承した子会社に対する衛星放送事業の認定取り消しについて「総務省では2017年1月に受けていた認定に重大な瑕疵があったと判断し、認定取り消しに向けて必要な手続きを進めていくことにした。東北新社の申請におけるミスが主たる原因とはいえ、認定当時のプロセスにおいて総務省側の審査も十分ではなかった。事態を重く受け止めている」と説明。
そのうえで武田大臣は「認定申請時、また申請後にも、定期的に外資比率の数値とその裏付け資料を求めるなどして審査体制の強化について検討していきたい」と述べた。(編集担当:森高龍二)