東電福島第一原発事故により増え続ける放射性物質トリチウムを含む汚染処理水を海洋に放出することを政府が13日の関係閣僚会議で決定した。2年後をめどに放出を始める計画だ。隣国・韓国はモニタリングを強化する。
政府はトリチウム濃度を国の基準値の40分の1以下にまで薄めて放出するとしているが、トリチウム以外の核種が完全に除去されているのかについても検証することが必要だ。
2018年に汚染処理水の約8割から「ストロンチウム90」や「ヨウ素129」などの放射性核種が含まれていることが発覚した。「ヨウ素129」や「ルテニウム106」なども基準値を超えて含まれていた、とされる。汚染処理水を薄め基準値以下にするだけでは不足で、他の核種が完全除去されているか、徹底することが必要だ。
そのため放出する汚染処理水に問題がないのか、IAEAによる定期検査と抜き打ち検査をはじめ安全性に対する客観的な数値の情報提供など、透明性の確保が国際社会に対しても必要。加えて風評被害に対する対応も強く求められている。
聯合ニュースは韓国外交部報道官論評を伝えている。放射能測定を大幅に拡大し、モニタリングを強化するとともにIAEAなど国際社会との協力を強化する考えを示した。(編集担当:森高龍二)