東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長は18日の記者会見で、五輪開催での観客数について、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長から「五輪開催は無観客が望ましいと提言された」と語るとともに「(新型コロナ感染症の)状況によっては無観客も覚悟しなければいけない」と記者団の問いに答えた。
ただ、橋本会長は観客上限について「政府が示すイベントの上限に則って決めていきたい考えに変わりはないので、収容人数の50%以下で最大1万人という上限と、そして、五輪においてはより厳しい条件が求められているということを踏まえながら、よく整理をして決めていきたい」と語った。橋本会長は尾身会長らの提言、政府方針を踏まえ、観客上限を21日の五者協議で決定するとした。
この日、尾身会長はじめ新型コロナ対策の専門家ラウンドテーブルの岡部信彦座長ら専門家有志は組織委にワクチン接種が順調に進んでも7月から8月にかけ感染症、重症者の再増加がみられる可能性があることをあげ、無観客で開催することが「会場内の感染拡大リスクが最も低いので望ましい」と提言した。
また観客を入れる場合については(1)現行の大規模イベント開催基準(収容人数の50%以下で最大1万人)より厳しい基準を採用する(2)人流と接触機会を抑制するために観客は開催地の人に限り、移動経路を含め感染対策ができる人々に限る(3)感染拡大・医療逼迫(ひっぱく)予兆が探知される場合は時期を逸せず「無観客」にすることを考慮し対応することとしている。
橋本会長は大規模会場での入場に関して21日の五者協議に向けてしっかり対策を取りながら、取り組んでいくとした。
武藤敏郎組織委事務総長は「観客を入れての場合、3点を考慮するよう求められた。個々の問題についてはこれからだが、基本的な考え方は(尾身会長と)思いをほぼ一つにしている。月曜日(21日)の五者協議でよく話し合いをしていきたい」と語った。(編集担当:森高龍二)