守れなくなったら五輪やらない、総理発言の重み

2021年06月27日 07:21

 日本共産党の志位和夫委員長は25日、都議選での街頭演説で「五輪と命とどっちを大事にするのかが問われている」と訴え「都民と国民の命を守る最良の方法は五輪をきっぱり中止することではないか」と中止を訴えた。立憲民主党は延期が無理なら中止の姿勢だ。

 自民党総裁の菅義偉総理は今月9日の党首討論で、志位氏から「このような中でなぜ五輪を開催しなければならないのか」と詰問された際「国民の命と健康を守るのが私の責務。守れなくなったら(五輪・パラリンピックは)やらないのは当然だ、と言っている。それが(開催の)前提だ」と開催理由に答えず「守れなくなったら(五輪は)やらない」と反論した。

 この反論での断言が実行されるのかが今後、強く問われる事態になりつつある。新型コロナウイルス感染症の「第5波」が五輪会場の東京で強く懸念されている。「有観客から無観客開催」のレベルでなく「五輪中止」の判断さえ迫られる可能性も出ている。

 東京都によると、25日午後4時45分現在での新規感染者は562人と先週金曜に比べ109人多い。6日連続して前週を上回る状況になっている。

 五輪組織委員会の橋本聖子会長は25日、「私なりに考えるのは無観客も含め検討しなければならない」とした。無観客を視野に入れた検討をする状況になりつつあるとの認識を示した。今後2週間の推移、目が離せない状況だ。(編集担当:森高龍二)