自民党総裁選挙は29日、投開票される。24日の外交・安全保障をテーマにしたオンラインでの討論会で、近隣国への配慮の程度をうかがわせる質問が、A級戦犯を合祀する靖国神社への参拝姿勢。
日本は過去の「侵略戦争」への深い反省の意も踏まえ、閣僚在任中は周辺諸国への外交上の配慮の視点からも靖国神社への参拝は控えてきた。それでも参拝を強行してきた閣僚はいたが、自民タカ派議員がほとんど。
この日のオンライン討論会でも総理になって参拝するかに、高市早苗候補は「参拝させていただく」ときっぱり。岸田文雄候補は「時期と状況を考えたうえで、参拝を考えたい」とどちらともとれそうな発言。
一方、河野太郎候補は「首相在任中は参拝しない」ときっぱり。野田聖子候補も「首相、総裁という公職ではしない」とした。
政教分離の視点からも閣僚は参拝すべきではない。参拝するなら閣僚を降りてからにするのが、外交上も配慮のできる人物といえよう。
中国、韓国が閣僚参拝に対し「日本は侵略の歴史を直視し、反省するとの約束を着実にまもるよう」と毎回、抗議してくるが、A級戦犯の合祀が続く限り、閣僚参拝に抗議の声はあがるだろう。昭和天皇も合祀に反対の意を示し、合祀以降は足を運ばれたことはなかった。平成天皇も、今上天皇もその意を継いでおられるようだ。政教分離問題とA級戦犯問題を解決する方策を議論することが必要だ。(編集担当:森高龍二)