ソニーは米ラスベガスで開催中の「CES 2022」で公式発表したモビリティ「VISION-S」をブースにて展示 事業会社「ソニーモビリティ」を設立し、EVの市場投入について本格的な検討に入ると発表した
ソニーグループは米ラスベガスで開催中の「CES」にて、モビリティの進化を目指した取り組みであるEV「VISION-S」を発表し、ブースにて試作車を展示した。
このコンセプトを実社会で実証すべく、2020年12月に欧州にて公道走行テストを開始し、車内外に搭載されたイメージング・センシング技術やヒューマンマシン・インタフェース(HMI)システムなどの多岐にわたる安全性やユーザー・エクスペリエンスの検証をはじめた。
また、2021年4月より5G走行試験を開始させるなど、ソニーの最先端技術を継続的に投入し、EV化が進むモビリティにおける新たな体験に向けて活動していた。
ソニーは、これらのモビリティ体験の進化や提案を今後さらに加速させるため、2022年春に新事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立し、EVの市場投入の本格的な検討を行なうという。
新会社は、AI・ロボティクス技術を最大限に活用し、誰もが日常的にロボットと共生する世界を実現し、人を感動で満たし、社会へ貢献することを目指す。エンターテインメントロボットの「aibo」、ドローンの「Airpeak」、さらにモビリティの進化に貢献するEV「VISION-S」を加え、今後さまざまな領域において新たな価値創造を行なっていくとしている。
新事業会社「ソニーモビリティ」では以降、グローバルな自動車部品大手などと連携してEVを開発・生産し、ソニー独自ブランドでの販売を目指す。内燃機関を動力とするエンジン車からバッテリーとモーターで走るEVへの大きな転換を機に、米アップルもEV事業に参入するとの観測が強まっている。世界の大手IT企業など異業種を巻き込んだ新たな覇権獲得競争が始まる。
今回展示した試作車の開発においては、自動車製造受託企業の豪州マグナ・シュタイヤーと連携して進められた。自動車部品の大手・独ボッシュや独ZFとも協業している。今後も世界の大手メーカーと協力して車両の設計を進めるとみられる。
なお、今後の提示する製品なりプロトタイプの名称を「SONY」ブランドとするか、別の新たなブランドを立ち上げるかなど詳細は未定だ。第三局との提携で新たな独自ブランドを冠したモビリティを手掛ければ、EV市場に食い込める余地があると判断したようだ。参入時期は明らかにしていない(編集担当:吉田恒)