安倍元総理が核保有議論提唱、非核三原則無視

2022年03月01日 06:11

 安倍晋三元総理が27日のフジテレビの番組で世界の安全が核保有のバランスで保たれているかのような発言をし「日本も核保有を議論していくことをタブー視してはならないと思う」と『敵基地攻撃能力の保有』を超え、『核保有』議論までも是とする考えを示した。日本の国是である「核を持たず、つくらず、持ち込ませず」の『非核三原則』を無視した暴論としか言えない。

 安倍氏は番組内で核保有について「NATOにおいても、ドイツやベルギーやオランダ、イタリアと核シェアリング(共有)をしている、自国にアメリカの核を置いていて、落とすのはそれぞれの国が行うというシステム、多くの国民のみなさん、ご存じないのだろう。日本はもちろんNPT(核拡散防止条約)加盟国でもあり、非核三原則があるが、世界はどのよう安全が守られているかという現実について、議論していくことをタブー視してはならないと思う」などと述べた。

 弁護士で日本共産党の山添拓参院議員は「安倍元首相が『核シェアリング』に言及。『議論をタブー視してはいけない』などといい、日本も是非を話し合うべきだと煽る。非核三原則は単なる政策ではなく、衆参で決議された国是でもある。ロシアの侵略を奇貨とするかのように、力に力で対抗する議論をふりまくのも大問題」とツイッターで非難した。

 「核の共有も『議論をタブー視してはいけない』とか言っていますが、それはダメでしょう。『戦争を知らない世代が政権を握ったときは気を付けなくてはならない』という、田中角栄の言葉の通りだ」との声もある。(編集担当:森高龍二)