ロシア軍によるウクライナ侵攻後、プーチン大統領が核兵器の使用をほのめかす発言をするなど核戦争の脅威がにわかに高まった。こうしたことも背景に安倍元首相が米国との核共有に言及するなど非核三原則の見直しに関する議論がわき上がっている。岸田総理は「非核三原則は国是。核共有は考えず」と発言しており、直ちに非核三原則見直しの検討と言うことにはならなそうだ。一方、国民の意識については8割近い者が「非核三原則を国是として堅持すべき」と回答しており、特に女性、若い世代で「非核三原則堅持」の意識が高いようだ。
3月30日、市場調査業のネットエイジアが全国の15~59歳の男女1000名(各世代200名、男女各500名)を対象に3月上旬に実施した「国際平和に関する調査2022」の集計結果を公表した。調査結果によれば、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を「日本の国是として堅持すべき」と思うか尋ねた結果では、「堅持すべきだと思う」が77.1%、「堅持すべきだとは思わない」は22.9%となっており、8割近い国民が「非核三原則を日本の国是として堅持すべき」と考えているようだ。男女別に見ると、「堅持すべき」と回答した男性は67.4%、女性は86.8%と女性の方が高く、その差は19.4ポイントと2割近くにまで達している。
さらに年齢別に見ると、男性では「10代」が77.0%、「20代」が64.0%、「30代」64.0%、「40代」69.0%、「50代」63.0%となっており、女性では「10代」が86.0%、「20代」93.0%、「30代」85.0%、「40代」81.0%、「50代」89.0%となっている。最も高いのは20代女性の93.0%、最も低いのは50代男性の63.0%となっており両者の差は30.0ポイントにもなっている。また、男性では「10代」の77.0%が最も高く、女性の「10代」も86.0%と「50代」女性の89.0%に次いで高くなっており、全体として若い世代ほど「堅持すべき」との回答が多い傾向が見られる。
「国際平和のために日本が行うべきこと」で「重要」と回答された項目は、「子ども達への平和教育」47.6%に次いで「核兵器廃絶運動」の44.7%が多くなっており、「やや重要」も加えると71.6%になる。日本国民の多くが世界で唯一の戦争被爆国である日本の役割を強く意識していることを表している調査結果であるといえる。(編集担当:久保田雄城)