ロシアの侵略問題「対岸の火事でない」総理強調

2022年06月14日 06:47

 岸田文雄総理はアジア安全保障会議での基調講演で「ロシアによるウクライナ侵略により国際秩序の根幹が揺らぎ、国際社会は歴史の岐路に立っている」と危機意識を示し、憂慮した。

 また「ロシアによるウクライナへの侵略は世界のいかなる国・地域にとっても『対岸の火事』ではない。全ての国々が『我が事』として受け止めるべき、国際秩序の根幹を揺るがす事態だ」と強調した。

 岸田総理は「努力と対話と合意によって築き上げてきたルールに基づく国際秩序が守られ、平和と繁栄の歩みを継続できるか。『ルール』は無視され、力による一方的な現状変更が堂々とまかり通る、強い国が弱い国を軍事的・経済的に威圧する弱肉強食の世界に戻ってしまうのか。我々が選択を迫られている現実だ」と毅然とした対応をしていくことの重要性をアピールした。

 そのうえで、岸田総理は(1)ルールに基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化(2)安全保障の強化(日本の防衛力の抜本的強化、日米同盟、有志国との安全保障協力の強化を車の両輪として強化していく)(3)「核兵器のない世界」に向けた現実的な取り組みを推進する考えを強調。

 あわせて(4)国連安保理改革を始めとした国連の機能強化(5)経済安全保障など新しい分野での国際的な連携の強化を図る姿勢を強く示した。(編集担当:森高龍二)