今年度の最低賃金の引き上げの目安が全国加重平均で「31円」アップと中央最低賃金審議会から後藤茂之厚労大臣に2日答申が出され、答申通り実施されれば「時給961円」になる。
鈴木俊一財務大臣は3日までの記者会見で「官民が連携し、しっかり賃上げが行われるよう、政府挙げて様々な取組みを進めてきた」とし「早期に全国平均を1000円とすることを目指して取組んでいくべきと思う。物価上昇が続く中、賃上げを持続させていくことが重要」と語った。
鈴木大臣は「賃上げの流れが、よりしっかりと継続的なものになるよう取組み、成長と分配の好循環につなげていきたい」と語った。
一方、賃上げによる中小零細企業への影響について「最低賃金引上げがコストになるということは聞いている。今回31円という額の引上げが中小零細企業の経営に具体的にどういう影響を与えるかしっかり注視していく必要がある」と注視していく考えを述べた。
答申では東京・埼玉・愛知・大阪などAランクと茨城、京都、兵庫、広島などBランクの計17都府県は時給「31円」の引き上げ、北海道、奈良、和歌山、山口、福岡などCランクと青森、岩手、福島、愛媛、長崎、大分、沖縄などDランクの計30道県は時給「30円」の引き上げを目安に、としている。
目安通りに上がれば東京都は時給1072円、神奈川は1071円、大阪府は1023円が最低賃金になる。一方、沖縄県、高知県は30円上がっても850円にとどまり、地域間格差が大きい。
今後、各都道府県の審議会で最低賃金額を確定し、10月上旬から改定後の額の適用になるもよう。(編集担当:森高龍二)