法政大前総長ら学者・作家ら国葬反対署名活動へ

2022年08月24日 08:07

 法政大学前総長の田中優子さんや憲法学者で専修大学名誉教授の石村修さんら学者や作家ら17人が呼びかけ人となり、23日から『安倍晋三元総理の国葬反対』署名活動を始めた。

 国葬を巡っては法的根拠がないほか、国会審議や3権(立法・行政・司法)の長による協議もなく、事実上の「内閣葬」になっている。岸田内閣は国の行事だとして内閣府設置法の「国の儀式の事務に関する規定」を根拠に、いきなり閣議決定した経緯があり、憲法が保障する『思想・信条の自由』を侵害するほか、「国・国民の象徴」として憲法で規定される「天皇」と違い、「法の下の平等」規定にも相反する。

 また国費を使うことを巡っても各地で差し止めを求める裁判や自治体の長らが公費で国葬に参加しないよう求める監査請求も相次いでいる。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題と共に、国葬問題は岸田政権支持率急落の大きな原因になっている。

 政府は「国の儀式として実施するもので、国民1人1人に政治的評価や喪に服することを求めるものでない」としているが、学校や自治体に半旗を要請したりすれば事実上の「強制」効果があり、子どもたちや教諭への弔意強制につながりかねない。政府が喪に服することを求めないことを担保し、国民に理解を求めるなら、少なくともこうした要請は行わないことが求められよう。(編集担当:森高龍二)