岸田文雄総理は25日開かれた「国と地方の協議の場」でマイナンバーカードと健康保険証の一体化に批判が続出する中、岸田総理は「マイナカード取得を希望しない人、されない人に対しても、健康保険料を納付している人が保険診療を受けられるのは当然」(国会答弁)として、そうした人たちのための「制度を創設する」考えを示している。その一方で、改めてマイナカード普及の必要を強調し、自治体関係者に普及への協力を求めた。
岸田総理は「成長のための投資と改革の柱となるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進に向けて、基盤インフラとなるマイナンバーカードの普及が重要」とアピール。
「24年秋の廃止を目指した健康保険証との一体化など、利便性の向上を飛躍的に進め、概ね全ての国民への普及のための取組みを加速していく。引き続き、地方の皆様には、交付申請の促進をお願いしたい」と普及への取組み、協力を要請した。
政府は12月末までカード交付申請を行った人に5000円に相当する5000ポイントを交付している。また健康保険証との紐づけで7500ポイント、銀行口座との紐づけで7500ポイント、最大20000ポイントを交付し、普及を図っている。
自治体によっては普及率を上げるために、政府のポイント以外に、自治体独自の制度を使って7500ポイントを交付しているところも出ている。それでも普及が加速しない背景に情報管理への懸念や政府の運用面での不信感のあることを踏まえ、カードの利便性のみでなく、政府への信頼感回復を図ることが必要で、懸念や不信感解消のための取組みこそまず必要だ。(編集担当:森高龍二)