岸田文雄総理は27日開かれた令和臨調に出席し、あいさつの中で「新しい資本主義の実現に向け最優先で取り組むべきは構造的な賃上げと考えている」と強調した。
そして「企業の立場に立てば、高い賃金が、高いスキルの人間を惹きつけ、それが生産性向上につながり、更なる賃上げにつながっていく、そうした好循環を生み出していく構造を作ることになる」と語った。
そのためには成長分野への円滑な労働移動環境を進める必要があるとしたほか「年功賃金から日本に合った形での職務給への移行を進める」と年功序列の賃金体系を職務、言い換えれば、能力に応じた賃金体系に変えていく、経団連が求める方向への色合いを改めて強くうかがわせた。
岸田総理は「人への投資、労働移動の円滑化、所得の向上の課題に一体的な改革で取組む」とし「5年で1兆円の投資を行い、個人のリスキリングを中心に、人への投資を大胆に支援。来年6月までに労働移動円滑化とリスキリングについての指針を官民で策定、個々の企業の実情も加味しつつ、年功賃金から日本に合った形での職務給への移行を進めることで労働移動円滑化を目指す」などと語った。(編集担当:森高龍二)