2022年も、残すところあとわずか。そろそろ年末の大掃除に取り掛かっている家庭も多いのではないだろうか。
住宅メーカーの積水ハウス≪1928≫が全国の20~60代の既婚の持ち家(戸建、集合住宅)に住む女性を対象に「年始に向けた大掃除調査(2022年)」を実施し、その結果を発表しているが、コロナ禍の自宅における日常の掃除の変化などが現れており、大変興味深い。
同調査では、日常的な掃除における回数や頻度、時間、場所の各項目について、コロナ禍前後の増減から、掃除の変化を調査。結果、各項目のいずれかで約4人に1人(25.6%)がコロナ禍前より「増えた」と回答したという。コロナ禍で掃除が増えた人の理由としては、「以前より汚れが気になる」「感染予防対策のため」「掃除する時間に余裕が生まれた」などが上位となってていることから、コロナ禍での感染予防意識の高さだけでなく、家庭で過ごす時間が増えたことも大きいことが推測できる。
しかし、日常の掃除回数が増えても「大掃除」となると、また別の意識が働くようで、日常の掃除が増えたと回答している人では76.8%が大掃除をしており、コロナ禍で掃除回数や頻度に変化がなかった人と比較すると13.5ポイントも多い結果となっている。しかも優先的に大掃除をする箇所としては、普段の掃除頻度の高い台所や風呂、リビングなどが上位を占めており、汚れが気になりやすく、掃除に時間や手間がかかる場所は、大掃除でもとくに念入りに行いたいという気持ちが大きく働くのだろう。
大掃除の満足度は年始を迎えたときの家の状態に対する満足度に大きく影響するようだ。同調査結果によると、大掃除を実施した人の半数以上が、年始の家の状態に満足しており、大掃除をしなかった人と比較するとおよそ30ポイントも満足度が高いことが分かった。
また、大掃除の満足度が高い20~34歳の若年層における満足ポイントは「新たなスペース」や「模様替え」「家が明るくなった」など、空間づくりにおける項目が目立っている。コロナ禍でおうち時間が増えたことで、単純に綺麗にするだけでは留まらない、空間づくりという新たな観点が満足度につながってきているようだ。
一方、年配層の約3人に1人がワンオペ大掃除を行っており、ワンオペ掃除をしている人の大掃除への満足度は、家族と一緒に大掃除をする人と比べて19.6ポイントも少ないことも分かった。しかも、家族で大掃除をすると満足度だけではなくコミュニケーションの面でも良い影響があるようで、誰かと一緒に大掃除をした人のうち約3 人に1人が、大掃除をきっかけに「家族内のコミュニケーションが増えた」と回答していることも面白い。大掃除の思わぬメリットといえるのではないだろうか。
年末の大掃除。家の中の一年の汚れをキレイにするだけでなく、家族とのコミュニケーションを深め、来年も幸せで満足な一年にするためにも、念入りに励みたいものだ。(編集担当:藤原伊織)