国際石油市場安定への日本の戦略3点 総理説明

2023年07月20日 06:50

 岸田文雄総理は18日の記者会見で国際石油市場の安定のために日本としての戦略を聞かれ「ウクライナ侵略の長期化によって、また、石油・ガス開発に対する投資資金の縮小による需要ひっ迫もあり、国際石油市場は先行き不透明だ」との認識を示したうえで、3点について語った。

 岸田総理は1点目にロシアのウクライナ侵略について「法の支配による国際秩序を守り抜き、公正で恒久的な平和を早期に実現することが国際市場安定のために必要」と強調。

 「今回の中東訪問でも各国首脳に働きかけた。これまでの成果を踏まえ、更に尽力していきたい」とした。

 2点目には「産油国、主要消費国、国際エネルギー機関で需給見通しについて率直な意見交換と緊密な対話を続け、投資を通じて問題を解決する」とした。
 
 岸田総理は「石油・ガス開発に対する過度の投資不足を避けつつ、各国の状況を踏まえた多様な脱炭素の道筋に対して、トランジション・ファイナンス、ブレンディッド・ファイナンスなどの形で投資資金を大量に供給していくことが必要」と語った。

 3点目には「新技術を大胆に実装するとともに、カーボンプライシングを通じて需要サイドの変革を図る」と述べた。

 岸田総理は「水素、アンモニア、合成燃料、蓄電システムなど生産から輸送、消費に至る一連のバリューチェーンに先端技術を実装していく必要がある」とし「我が国は成長志向型カーボンプライシングにより、需要サイドの変革を図りつつ、先端技術の開発と実装のための大胆な支援制度を講ずる」と述べた。また「そのための法律を成立させた」とした。(編集担当:森高龍二)