昨年の農林水産物・食品輸出額1兆5千億円

2025年02月05日 07:02

 2024年の農林水産物と食品の輸出額は1兆5073億円と前年より533億円増え、率にして3.7%増加した。2016年輸出額(7502億円)の2倍になった。

 農水省によると中国は1681億円と前年より689億円、率にして29.1%の大幅減、香港も2210億円と前年より155億円、率にして6.6%の減少になったが、中国や香港を除く国々への輸出総額が1兆203億円と1358億円増加し、率にして15.4%の大幅な増加になったことから全体を押し上げることになった。

 品目別の輸出額ではソース混合調味料、緑茶、牛肉、米などが2桁%の伸び記録した。一方で水産物の多くが中国・香港による輸入規制の影響で対前年比マイナスになった、としている。

 また関係者からの聞き取り結果として「日本食レストランの増加、インバウンドによる日本食人気の高まり等を背景とした好調な外食需要のほか、事業者の販路拡大の取組み等の進展が輸出増加の主な要因」としてあげていた。

輸出額の増加が大きかったものでは「緑茶(欧州等で健康志向や日本食への関心の高まり等を背景にラテやスイーツ等の食品原料として抹茶を含む粉末状茶を中心に需要が増加)」や「米(米国や香港等で、おにぎり屋や寿司店等の日本食レストランの増加等、外食向けを中心に需要が増加)」などがあがった。減少が大きかったのは「なまこ(中国がALPS処理水の海洋放出に伴い、日本産水産物の輸入を規制)」「魚油(魚油の原料であるカタクチイワシのペルー沖での漁業解禁により、チリにおいて日本産魚油への需要が減少)」などがあった。(編集担当:森高龍二)