行政システム開発にも生成AI 政府がAI駆動開発を推進

2026年07月23日 07:29

霞が関

政府は「規制改革実施計画」で、政府情報システムの調達・開発にAI駆動開発の導入を促進し、行政DXの推進に向けた環境整備を進める方針を示した。

今回のニュースのポイント

政府は「規制改革実施計画」で、政府情報システムの調達・開発等にAI(人工知能)駆動開発の導入を促進する方針を示しました。要件定義から設計、コーディング、テスト、運用・保守に至る工程でAIを活用し、ルールの明確化などの環境整備を進めます。開発作業の効率化・高度化を図るとともに、特定ベンダーへの依存を防ぎ、中小企業やスタートアップの参入機会拡大につなげる狙いです。

本文
 政府は2026年7月21日に閣議決定した「規制改革実施計画」において、政府情報システムの調達や開発などの各工程でAIを活用する「AI駆動開発」の導入を促進する方針を打ち出しました。従来の政府情報システム開発では、府省庁職員のIT専門知識不足によって要件が曖昧になりやすいことや、曖昧な要件による設計の矛盾・抜け漏れ、特定ベンダーの暗黙知によるコード可読性の低下や運用ノウハウの偏りといった課題が指摘されていました。

 計画では、デジタル社会推進標準ガイドライン群などのルールの明確化を行い、システム開発におけるAI活用の環境を整備するとしています。具体的には、調達段階においてAIが要件定義などの作業をサポートするほか、設計段階では設計やレビューを自動化して要件との整合性を向上させます。さらに開発段階ではコードやテストケースの生成・レビューを自動化し、運用・保守段階では異常の自動検知やノウハウの学習・共有を進めることで、開発プロセス全体の効率化と高度化を図る方針です。

 こうした取り組みにより、開発作業の効率化だけでなく、調達時における参入障壁の低減も期待されています。AIが読み取りやすい形式でデータや提案、納品物をやり取りする仕組みを構築することで、府省庁側の業務負担を軽減するとともに、中小企業やスタートアップ事業者が政府情報システムの開発に参入しやすくなる環境を整える狙いもあります。

 一方で、政府情報システムへのAI導入にあたっては、安全性や信頼性の確保が前提となります。情報漏えいを防ぐためのセキュリティ対策や、AIが生成したコードの品質確認、障害発生時における責任関係の明確化などが求められます。行政の重要な基盤を担うシステムであるからこそ、適切なルールに基づいた段階的な検証と運用管理が不可欠となります。

 今回の措置は、行政が単にツールとしてAIを利用するだけでなく、システムの調達や開発プロセス自体にAIを前提とした手法を組み込む取り組みとして位置付けられます。明確なガイドラインの整備とともに、実際の開発や調達の現場で実効性ある運用を確立できるかが今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)