全国CPIは伸び拡大 基調物価は小幅鈍化、エネルギーが押し上げ

2026年07月24日 10:48

画・消費税増税前、駆け込み消費。3人に1人がまとめ買い予定。日用品が6割。

総務省が公表した2026年6月の全国消費者物価指数(CPI)では、エネルギー価格が上昇率を押し上げる一方、食品価格は依然高水準ながら伸びのペースに落ち着きも見られた。(画像:イメージ)

今回のニュースのポイント

見出しの数字だけを見るとインフレが再加速したように見えますが、中身をみるとエネルギーの影響が大きく、基調的な物価上昇は比較的落ち着いていることが分かります。数字だけを見ると物価上昇が再び勢いを増したように映ります。しかし、6月の全国消費者物価指数を詳しく見ると、今回の押し上げ役はエネルギー価格であり、基調的な物価上昇はむしろ落ち着きを保っていることが分かります。

本文
 総務省が24日に発表した2026年6月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、生鮮食品を除く「総合(コアCPI)」が前年同月比1.6%上昇となり、前月の1.4%上昇から0.2ポイント伸び率が拡大しました。生鮮食品を含む「総合指数」も1.7%上昇(前月1.5%上昇)と、揃って上昇幅を広げています。表面的な数字だけを追うと物価上昇の再加速が懸念される局面ですが、その主要因は特定の費目に偏っています。

 今回の伸び率拡大における最大の押し上げ要因となったのがエネルギー価格です。6月のエネルギー全体の前年同月比寄与度差は、総合指数に対してプラス0.20ポイントとなりました。内訳を見ると、ガソリン(前年同月比▲0.7%)や電気代(同▲1.7%)は前年比マイナス圏にとどまっているものの前月からの下落幅が縮小し、灯油(同16.5%上昇)は上昇幅が拡大しました。国際市況や政策効果の影響を受けやすいエネルギー関連の動きが、指数全体の押し上げに直接寄与した形です。

 一方で、家計への負担感が強い食品価格は、依然として高水準にあるものの伸び率自体は緩和の兆しを見せています。生鮮食品を除く食料は前年同月比3.1%上昇となり、前月の3.5%上昇からプラス幅が縮小しました(寄与度差▲0.09ポイント)。品目別では、菓子類が5.7%上昇(前月8.1%上昇)、調理食品が4.2%上昇(同4.4%上昇)、飲料が6.8%上昇(同8.7%上昇)と、高い水準を維持しつつも前月と比べて伸びのペースは落ち着きつつあります。

 こうした内訳を踏まえると、物価の「基調」をどう捉えるかが重要になります。天候や原油価格の変動に左右されにくい生鮮食品およびエネルギーを除く「総合(コアコアCPI)」は前年同月比1.7%上昇となり、前月の1.8%上昇から0.1ポイント低下しました。コアコアCPIが小幅に鈍化したことから、今回の物価上昇率拡大はエネルギー要因の影響が相対的に大きかったことがうかがえます。

 今回の物価統計について、日本銀行は多角的な視点から分析を進めるとみられます。日銀はコアCPIやコアコアCPIに加え、サービス価格や賃金動向など複数の指標を総合的に点検しており、今回の統計もその一つとして判断材料になるとみられます。物価が底堅く推移していることは改めて確認されており、今後の賃金と物価の好循環の広がりや需給動向が注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)