政府、企業投資を後押しへ 産業競争力強化法がAI・設備投資時代へ対応

2026年07月28日 17:14

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経済産業省。政府は産業競争力強化法の改正に伴う関係政令を整備し、AIやDXを見据えた生産性向上や企業の設備投資を後押しする新たな支援制度を7月31日から施行する。

今回のニュースのポイント

政府は、産業競争力強化法の改正に伴い、関係政令を整備しました。国際情勢の変化や事業コストの上昇などに対応する企業の設備投資や事業転換を支援する制度を拡充するとともに、生産性向上につながる設備への支援や、貿易保険制度の見直しなどを進めます。施行日は2026年7月31日です。

本文
 政府は、企業の持続的な発展と国内投資の促進を目指す「産業競争力強化法等の一部改正法」の施行期日を定める政令および関係政令を整備しました。施行日は2026年7月31日となります。

 今回の改正では、国際情勢の変化や原材料費・人件費の高騰といった急速な環境変化に直面する企業に対し、設備投資や事業構造の転換を支援する制度が大幅に拡充・再編されます。見直しの主な柱となるのは、将来の高い生産性向上に寄与する設備投資への集中的な支援です。

 制度上、新たに「特定生産性向上設備等」の枠組みが設けられるほか、国際情勢の急変に対応する事業転換(国際経済事情激変事業適応)、資材高や人件費上昇に対応する取組(事業費上昇事業適応)、地域社会の需要変化に対応する事業再編などへの支援策が整備されました。従来の老朽化更新を中心とした支援から、環境変化への「柔軟な適応」と「生産性の飛躍」を後押しする仕組みへと舵を切った点が特徴です。

 政府がこのタイミングで制度の大幅な見直しに踏み切った背景には、企業を取り巻く産業環境の決定的な変化があります。

 生成AIの爆発的な普及や全社的なDXの推進、半導体・データセンターへの巨額投資、さらには地政学リスクに伴うサプライチェーンの再構築や深刻な人手不足、物価高など、企業はかつてない変革を迫られています。こうした時代において、単に従来型の設備を現状維持で更新するだけの投資では国際競争力を保てなくなっており、高い付加価値を生み出す先進設備への集中的な投資が不可欠となっています。

 今回の法改正が示す最も重要な示唆は、政府の産業支援の軸足が「投資の量を増やすこと」から「投資の質(生産性)を高めること」へ本格的に移行した点にあります。

 新設される「特定生産性向上設備等」は、従来のような単なる設備更新だけでなく、将来の競争力向上につながる設備を重点的に支援する考え方です。AIや自動化、デジタル技術などを活用した、生産性向上につながる設備への投資が今後重要性を増していくとみられます。政府は資金調達の円滑化や債務保証、税制面などの環境を整えることで、企業が将来の成長に向けた投資に踏み切りやすい環境をつくろうとしています。

 制度自体は企業向けの支援策ですが、その影響は日本経済全体の底上げにつながる可能性を秘めています。

 先端設備やデジタル投資が全国で活発化すれば、労働力不足の緩和や労働生産性の向上はもちろん、国内における投資回帰やサプライチェーンの強靭化が期待されます。さらに今回の改正では、地域経済を牽引する事業者の用地整備や工場立地法の特例、工業用水の供給、税制上の措置なども一括して盛り込まれており、地方における大規模投資や雇用創出を支える環境整備も一体で進められます。

 7月31日の施行を皮切りに、AI・DX時代に対応した新たな企業支援のフレームワークが動き出します。 今後は、急速な技術革新やコスト高に悩む国内企業がこれらの新制度をどこまで積極的に活用できるか、そしてそれが一時の設備更新にとどまらず、日本産業全体の生産性向上や地域経済の活性化に実質的につなげていけるかが重要な焦点となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)