大気からCO2回収、地下貯留しクレジット化へ 東京都が実証支援

2026年09月17日 13:52

今回のニュースのポイント

大気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収する技術「DAC(Direct Air Capture)」の社会実装に向け、東京都による支援の動きが本格化しています。東京大学発スタートアップのPlanet Saversは9月17日、東京都のGX関連産業支援とCDR(CO2除去)クレジット創出支援の2事業に採択されたと発表しました。本実証はDAC技術の開発にとどまらず、海外での地下貯留等を前提に、国際的な方法論に基づくMRV(測定・報告・検証)やLCA(ライフサイクル評価)、クレジット認証の実現可能性を検証し、都のマーケットでの流通可能性を検討する点が特徴です。最長3年間で最大約2.5億円の助成が予定されています。

本文
 大気中に存在する二酸化炭素(CO2)を直接分離・回収する「DAC(Direct Air Capture)」の技術開発と、回収したCO2を環境価値として評価・流通させる仕組みづくりに向けた実証が東京都の支援のもとで始まります。

 東京大学発の環境関連スタートアップであるPlanet Saversは2026年9月17日、東京都が実施する「GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業」および「CDRクレジット創出促進事業」の2事業に採択されたと発表しました。同社によると、両事業を通じて最長3年間で最大約2.5億円の助成を受ける予定です。

 今回の実証事業において注目されるのは、装置開発の枠を超え、大気中から回収されたCO2の除去量をいかに信用度の高い「カーボンクレジット」へ変換し、市場へ供給できるかという検証プロセスにあります。工場や発電所の排ガスから回収する従来型とは異なり、DACは大気中に拡散している超低濃度のCO2を直接取り除く技術です。同社はゼオライト(多孔質材料)を用いた独自方式の吸着技術によるDACシステム開発を進めており、1つ目のGX事業を通じて社会実装に向けた装置開発と市場導入に向けた検証を行います。

 もう1つのCDR事業では、回収後の「除去(Removal)」プロセスの評価・認証に向けた検証を行います。具体的には、DAC装置によって大気から回収したCO2を海外の適地等へ輸送して地下貯留したうえで、国際的な方法論に基づくMRV(測定・報告・検証)やLCA(ライフサイクル評価)を実施し、第三者認証の実現可能性を確かめます。さらに、DAC由来のCDR(二酸化炭素除去)クレジットについて、東京都の「カーボンクレジットマーケット」への供給・流通が可能かを検討します。

 今回の実証では、国際的なクレジット方法論に基づくMRVやLCA、認証の実現可能性を検証し、CDRクレジットとして市場へ供給・流通させるモデルの構築を目指します。

 なお、現時点でDACによるCO2除去の商用化やクレジットの定常的な発行・取引が決定しているわけではなく、今回の実証はあくまで一連の認証・流通プロセスの実現可能性を確かめる試行段階となります。

 今回の東京都による助成事業を通じ、DACシステムの技術開発と並行して、大気中から回収したCO2の除去量を国際的な方法論に基づいて評価・認証し、CDRクレジットとして東京都の市場で流通させることが可能かを検証する段階へ進むことになります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)