今回のニュースのポイント
厚生労働省が8月31日に公表した2025年「外国人雇用実態調査」によると、外国人労働者を雇用する事業所の68.2%が、雇う理由として「労働力不足の解消・緩和のため」を挙げたことがわかりました。特に農業・林業(94.4%)や漁業(93.3%)、建設業(82.3%)などの産業で高い割合を示しています。一方で、雇用管理上の課題としては「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」(46.2%)が最多となり、人手確保と同時に入職後の受け入れ体制整備における課題が示されています。
本文
厚生労働省は8月31日、「令和7年外国人雇用実態調査」の調査結果を公表しました。本調査のうち事業所調査は、雇用保険被保険者5人以上かつ外国人労働者を1人以上雇用している事業所を母集団として実施され、有効回答は3919事業所でした。今回の調査結果から、外国人常用労働者(推計値)は約204万人(203万8878人、前年は約182万人)に達したことが明らかになりました。
産業別の労働者数を見ると、製造業が約61万人(全体の30.1%)で最も多く、次いでサービス業(他に分類されないもの)が約33万人(16.3%)、卸売業・小売業が約23万人(11.1%)、建設業が約18万人(8.7%)となり、上位4産業で全体のおよそ3分の2を占めています。
これらの事業所に「外国人労働者を雇用する理由」(複数回答)を尋ねたところ、「労働力不足の解消・緩和のため」が68.2%で最多となりました。次いで「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」が56.2%、「事業所の国際化、多様性の向上を図るため」が18.1%、「日本人にはない知識、技術の活用を期待して」が14.1%と続いています。
「労働力不足の解消・緩和のため」と回答した割合を産業別で見ると、農業・林業で94.4%、漁業で93.3%、建設業で82.3%、医療・福祉で78.3%、製造業で77.5%、宿泊業・飲食サービス業で75.9%と高水準を示しました。なお、この数値は「外国人を雇用している調査対象事業所のうち、雇用理由として人手不足の解消・緩和を選んだ企業の割合」を示したものであり、各産業の全労働者に占める外国人の比率を表すものではありません。
一方、「外国人労働者の雇用に関する課題」(複数回答)では、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が46.2%で最も高い割合となりました。次いで「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」が24.8%、「文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある」が22.4%、「生活環境の整備にコストがかかる」が21.9%と続いています。「特にない」とした割合は17.1%でした。
前年調査の数値と比較すると、コミュニケーションに関する課題が43.9%から46.2%へ、文化・価値観等の違いによるトラブルが20.9%から22.4%へ、生活環境整備のコストが19.9%から21.9%へと、それぞれ回答割合が上昇しました。
調査対象となった事業所では、外国人を雇用する背景として人手不足の解消や日本人と同等以上の活躍への期待が大きな割合を占める一方、採用後のコミュニケーションや行政手続き、生活環境の整備に関する課題も挙げられています。外国人労働者の受け入れが広がる中、採用のみならず、コミュニケーションや在留資格手続き、生活環境の整備など、受け入れ後の対応も企業側の課題となっていることがうかがえます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













