今回のニュースのポイント
農林水産省が取りまとめた2027年度(令和9年度)税制改正要望において、金融庁などとの共管事項として、家計の資産形成や税負担に関わる二つの所得税関連要望が盛り込まれました。ひとつは「金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)」、もうひとつは「生命保険料控除制度の拡充の恒久化等」です。いずれも現段階では関係省庁による要望の提示であり、今後の税制改正議論において採否や具体的な制度設計が検討されることになります。
本文
農林水産省は2026年8月、2027年度(令和9年度)の税制改正要望を公表しました。同省が公表した資料は、食料安全保障の強化や農業・林業・水産業の活性化に向けた租税特別措置の延長要望などが大半を占めていますが、資料末尾の第6「その他」には、個人の家計や資産形成に影響を与える二つの所得税関連項目が掲載されています。
提出された要望のひとつ目が、「金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)」です。損益通算とは、投資によって一方の取引で利益が出た際、同一年度内の別の取引で生じた損失と相殺して課税対象となる所得額を計算する仕組みを指します。
今回の要望は、この損益通算の対象となる金融商品の範囲をさらに拡大することを求めています。ただし、公表された農林水産省の資料内には、具体的にどのような金融商品が新たに対象として想定されているかといった制度の詳細や商品名は示されていません。
要望のふたつ目が、「生命保険料控除制度の拡充の恒久化等」です。生命保険料控除は、支払った生命保険料などに応じて一定額を所得から控除する制度です。今回の農林水産省の要望では、所得税について「生命保険料控除制度の拡充の恒久化等」が掲げられています。
生命保険料控除についても、今回の資料内では具体的にどの拡充措置を恒久化の対象とするのか、控除上限額の変更や対象となる契約の範囲、実施されるスケジュールなどの詳細は提示されていません。
農林水産省の資料では、金融所得課税の一体化は「金融庁等2省庁共管」、生命保険料控除制度の拡充の恒久化等は「金融庁等3省庁共管」として、第6「その他」に掲載されています。主要テーマである農林水産関連の税制特例とともに、関係省庁による共管事項として盛り込まれた形となっています。
注意が必要なのは、今回の発表はあくまで各省庁から提出された「要望」の段階である点です。現時点で損益通算範囲の拡大や生命保険料控除制度の拡充の恒久化等が決定したわけではなく、今後の税制改正議論で採否や具体的な制度設計が焦点となります。
金融所得課税における損益通算範囲の扱いや、生命保険料控除の拡充をどのような形で恒久化していくのか。関係省庁から提示された要望の具体的な制度内容や今後の議論の動向が注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













