「交通空白」対策の改正法、10月16日施行 病院・商業施設の送迎も地域交通に活用

2026年09月01日 16:37

国交省

国土交通省。地域公共交通活性化再生法の改正法は10月16日に施行され、病院や商業施設などの送迎サービスとの連携や、バス路線等の再構築に向けた制度が始まる。

今回のニュースのポイント

政府は9月1日、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律」(2026年6月10日公布)の施行期日を10月16日とする政令を閣議決定しました(政令公布は9月4日)。改正法では、人手不足や輸送施設の老朽化による地域交通の維持困難に対応するため、既存のバス・鉄道だけでなく、病院、福祉施設、商業施設などが運行する送迎サービスとの連携を制度上に位置付けます。さらに、廃止や休止のおそれがある路線バスなどについて、自治体が関係事業者を選定・支援して地域交通を再構築する仕組みが新たに創設されます。

本文
 国土交通省は9月1日、地域公共交通活性化再生法の改正法について、施行期日を2026年10月16日とする政令が閣議決定されたと発表しました。本改正法は2026年6月10日に公布されていたもので、政令公布(9月4日)を経て10月中旬から運用段階に入ります。

 地域公共交通の維持が課題となる中、改正法では目的に「旅客の運送に従事する人材の不足」および「輸送施設の老朽化の進展」という社会経済情勢の変化が新たに明記されました。人手不足や設備の老朽化といった供給側の制約に対応するための制度改定となります。

 今回の改正における大きな柱の一つが、地域にすでに存在する多様な輸送資源の活用です。法律上、「施設利用者用運送サービス提供者」として、病院、福祉施設、教育文化施設、商業施設などが無償で運行する自家用送迎バス等の主体が定義されました。市町村については、これらの送迎サービス提供者と協力し、相互に密接な連携を図りながら、地域旅客運送サービスの持続可能な提供の確保に資する地域公共交通の活性化・再生に取り組む努力義務が盛り込まれています。ただし、これは送迎車に誰でも一律に乗車できるよう義務付けるものではなく、地域の交通インフラと送迎機能をどう連携させていくかという制度枠組みとなります。

 もう一つの大きな改定が、路線バスなどの持続的な運行に向けた「自動車地域旅客運送サービス再構築事業」の創設です。路線や営業区域の全部・一部が休止・廃止される、またはそのおそれがある「バス路線等」において、地方公共団体が地域旅客運送サービスを提供する事業者を選定します。その上で、他のバス事業者、自家用有償旅客運送者、さらには病院・商業施設などの送迎サービス提供者といった地域の関係者が、選定された事業者に対して人員派遣のあっせんなどの支援を行い、地域に必要な運送サービスを再構築する仕組みが整備されます。

 バスだけでなく、鉄道事業に関しても「鉄道事業再構築事業」の制度が拡充されます。現行の事業者が行う鉄道施設の建設・改良、車両取得・改良などの措置が計画認定の対象に追加され、認定を受けた場合には鉄道事業法に基づく認可等を受けたものとみなす特例や、地方公共団体の助成に係る手続上の措置が講じられます。

 さらに離島などの生活交通を考慮し、「海上運送利便確保事業」も新設されます。旅客船が法定検査に伴い一時的に休止する期間中、利用者の利便を確保するため、自治体が他の船舶運航事業者等を選定して代替運送を実施させる仕組みが導入されます。

 既存の公共交通に加え、病院や商業施設などの送迎サービスとの連携を進めるとともに、休廃止のおそれがあるバス路線等の再構築や、鉄道・海上交通に関する制度を拡充する改正法が、10月16日に施行されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)