クマの市街地出没、自治体ごとに専門家チーム 環境省、10地域程度を選定へ

2026年09月07日 08:22

画・「時間と場所を有効活用したい」か_若者の理想的な働き方

山林と人の生活圏が近接する地域。環境省はクマ対策の知見や経験が比較的少ない自治体を対象に、現地調査から対策案の具体化、必要に応じた試行・効果検証までを専門家チームと協働で行う実証事業を進める(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

環境省は2026年9月4日、「令和8年度クマ出没対策コンサルティング実証事業」に参加する地方公共団体の募集を開始しました。人の生活圏へのクマ出没や人身被害が相次ぐなか、クマ対策の知見や経験が比較的少ない自治体を専門家チームが支援します。応募多数の場合は10件程度を選定する予定です。選定された自治体ごとに相談役と専門家からなる2〜3人程度のチームを編成し、現地調査や課題分析、対策案の具体化に加え、必要に応じて一部対策を試行し、その効果検証まで自治体と協働で行います。経費は10件程度で総額5000万円以内を予定しています。

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 環境省は2026年9月4日、人の生活圏におけるクマ出没対策を強化するため、「令和8年度クマ出没対策コンサルティング実証事業」を実施すると発表し、参加する地方公共団体(都道府県、市町村)の募集を開始しました。応募期限は10月2日午後5時となっており、現段階は実証に取り組む自治体を公募しているフェーズとなります。

 背景には、近年相次ぐ人の生活圏へのクマ出没と、それに伴う人身被害の発生があります。政府が2026年3月に決定した「クマ被害対策ロードマップ」(クマ被害対策等に関する関係閣僚会議決定)では、出没時の緊急対応、人の生活圏への出没防止、個体数管理の強化などが総合的な施策としてまとめられました。このうち環境省は、現に迫る危険に対処するための「生活圏への出没の未然防止」と「出没時の対応」を喫緊の課題と位置づけています。

 こうした課題に対応するため、環境省は「市街地クマ出没対策チーム(通称:アーバンベア対策チーム)」を庁内に設置し、安全対策の強化や技術開発・検証を進めています。今回のコンサルティング実証事業は、その取り組みを自治体現場へ具体化させる施策の一つとなります。

 本事業は、クマ対策の知見や経験が比較的少ない自治体を対象に、専門家チームと協働して課題整理から対策の具体化・検証まで取り組む仕組みです。人の生活圏における対策強化を検討しており、現地調査や試行・検証に専門家チームと協働で取り組めること、実証期間中に担当者を配置できることなどが要件となっています。応募多数の場合は、提出された申請書の課題内容などを踏まえて10件程度を選定する予定です。

 選定された自治体には、事業事務局が配置する相談役とクマ対策の専門家で構成する2〜3人程度の「専門家チーム」が編成されます。支援のプロセスは一回限りの助言や報告書作成にとどまりません。まず自治体との打ち合わせを通じて地域の課題やニーズを整理し、その課題解決に最も適した専門家をチームに加えます。

 その後、専門家チームと自治体が協働で現地調査を行い、対策案を具体化・磨き上げます。さらに本事業の特徴として、具体化した対策案の一部を必要に応じて実際に試行し、その効果検証までを一体的に実施します。事業終了後に自治体が地域の関係者と協働して対策を推進し、「人とクマとのすみ分けの実現」や「野生動物との適切な関係の再構築」へつなげることが期待されています。

 事業規模については、専門家チームによるコンサルティング実証に要する現地調査や試行・検証などの経費を環境省側が負担します。規模は10件程度の実施で総額5000万円以内を予定しています。ただし、これは自治体への直接的な補助金や定額の交付金ではなく、環境省の調査事業の一環として執り行われるものです。自治体職員の人件費や旅費などは対象外とされています。

 出没後の緊急対応だけでなく、人の生活圏へのクマの出没を未然に防ぐ対策をどう具体化するか。今後、どの自治体が選定され、地域ごとの課題に応じてどのような対策案が具体化・検証されるのかが確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)