今回のニュースのポイント
厚生労働省が9日公表した2024年度の市町村国民健康保険の財政状況によると、年度末の被保険者数は2204万人で、前年度から105万人(4.6%)減少しました。一方で、1人当たりの保険料(税)調定額は10万7856円と前年度から6.8%増加しました。1人当たり課税標準額は2.1%減少する一方、1人当たり保険給付費は1.1%増加しています。さらに2025年6月1日時点の速報値では、保険料を一部でも滞納している世帯が185万2301世帯となり、前年から約2.2万世帯増加しました。制度全体の収支だけでなく、加入者の縮小と1人当たりの負担構造の変化が示されています。
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日本の地域医療基盤を支える市町村国民健康保険(国保)において、制度の基盤となる加入者の減少と、加入者1人当たりの調定額の上昇が同時に進行しています。厚生労働省が9日に公表した「令和6年度(2024年度)国民健康保険(市町村国保)の財政状況」の統計データは、国保財政の全体収支の裏側で、加入者規模と世帯負担の構造が大きく変化している実態を示しています。
公表データによると、市町村国保の被保険者数は2024年度末時点で2204万人となり、前年度の2309万人から105万人(4.6%)減少しました。長期的な推移をたどると、2020年度末の2619万人から2021年度末に2537万人、2022年度末に2413万人、2023年度末に2309万人と一貫して減少が続いており、この4年間で415万人(約15.8%)減少したことになります。加入世帯数についても、2020年度末の1724万世帯から2024年度末には1542万世帯へと縮小しています。
加入者規模が縮小する一方で、1人当たりの保険料(税)調定額は上昇を示しています。2024年度の1人当たり保険料(税)調定額は10万7856円となり、2023年度の10万997円から6859円(6.8%)増加しました。1世帯当たりの調定額でも14万7926円から15万5462円へと5.1%増加しています。なお、この数値は自治体が賦課した総額に基づく「調定額」であり、全加入者の実際の平均回収額や個々の世帯の支払額そのものを指すものではありません。
所得や給付に関する指標においては、対照的な動きが記録されています。同資料によると、所得総額から基礎控除等を差し引いた「1人当たり課税標準額」は、2023年度の77.0万円から2024年度は75.4万円へと2.1%減少しました。一方で、医療機関受診等に伴う「1人当たり保険給付費」は、2023年度の35万7261円から2024年度は36万1302円へと1.1%増加しています。なお、課税標準額は控除後の計算上の金額であり、加入者の年収や手取り所得そのものの推移を示すものではありません。
家計側の支払状況においては、滞納世帯の増加が確認されています。2025年6月1日時点の速報値において、保険料(税)に一部でも滞納がある世帯数は185万2301世帯となり、前年(2024年6月1日時点)の182万9802世帯から2万2499世帯増加しました。国保の全世帯に占める滞納世帯の割合も、前年の11.4%から11.9%へ0.5ポイント上昇しています。また、現年度分の保険料(税)収納率は2024年度に93.99%となり、前年度の94.20%から0.21ポイント低下しました。同資料から保険料上昇と滞納増加の直接的な因果関係を確定することはできませんが、両方の数値変化が同時に記録されています。
制度全体の財政収支に目を向けると、2024年度の単年度収入総額(都道府県・市町村合計)は22兆9001億円、単年度支出総額は22兆8095億円となり、国庫支出金の精算等を反映した「精算後単年度収支」は688億円の黒字でした。ここから、決算補填等を目的とする一般会計繰入金923億円を除くと、精算後単年度収支差引額は235億円の赤字となります。ただし、前年度の赤字額(1803億円)と比較すると赤字幅は1568億円大幅に縮小しています。さらに、前年度からの繰越金等を含めた「収支差引合計額」では4686億円の黒字(前年度比749億円増)となっています。
市町村国保は、4年間で415万人という大幅な被保険者減少に直面する一方で、1人当たりの保険料調定額は10万円台後半へ上昇し、滞納世帯数も185万世帯を超える水準で推移しています。加入者が減少するなか、1人当たりの保険料調定額や給付費、収納状況、制度財政が今後どう推移するかが確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













