カナダ最大のヘリウム施設が生産開始 年率7300万立方フィート規模、半導体・宇宙向け

2026年09月23日 17:21

ガス処理施設イメージ

カナダのNorth American Heliumは、サスカチュワン州のStewart Valleyヘリウム精製施設で生産を開始。稼働開始後の平均生産量は日量約20万立方フィートで、年率換算では約7300万立方フィート規模となる。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

カナダのヘリウム開発大手ノース・アメリカン・ヘリウム(NAH)は9月22日、サスカチュワン州南西部のスチュワート・バレー(Stewart Valley)ヘリウム精製施設が9月20日に操業を開始したと発表しました。稼働開始後の生産ペース(平均日量約20万立方フィート)を基にした年間生産規模は年率換算で約7300万立方フィートと推計されています。同施設が位置する鉱床は独立評価機関により埋蔵量約11億立方フィートと評価されており、同社によると独立評価に基づく鉱床としてカナダ最大です。生産分は大手産業ガス販売会社との長期契約に基づき供給されます。

本文
 カナダのヘリウム探査・生産大手ノース・アメリカン・ヘリウム(North American Helium、NAH)は9月22日、サスカチュワン州南西部に建設したスチュワート・バレー(Stewart Valley)ヘリウム精製施設が9月20日に生産を開始したと発表しました。現在、設計能力に相当する規模で稼働しており、日量1200万立方フィートの原料ガスを処理しています。同社によると、稼働開始後の平均生産量(日量約20万立方フィート)を基にした生産ペースは、年率換算で約7300万立方フィート規模となります。

 同施設が立地するスチュワート・バレー鉱床について、独立資源評価機関ライダー・スコット(Ryder Scott)は、確認埋蔵量と推定埋蔵量を合わせたP50評価で11億300万立方フィート(1.103 Bcf)のヘリウム埋蔵量を割り当てています。NAHによると、独立した埋蔵量評価に基づいて発見されたヘリウム鉱床としてはカナダ最大規模となります。最初の発見井掘削から独立評価、施設建設、試運転を経て13カ月で本格稼働に移行しました。安定した坑井の供給能力を背景に、最長9年間にわたり一定の生産水準を維持できると同社は見込んでいます。

 精製されたヘリウムは、大手グローバル産業ガス分配業者との長期契約に基づき全量が販売されます。NAHはヘリウムの需要先として半導体製造のリソグラフィー工程をはじめ、宇宙ロケットの加圧・パージ作業、医療用MRIの冷却、光ファイバー製造、防衛関連製造などを挙げています。生産量ベースで同国最大となる本施設は、既存の同社拠点(バトル・クリーク施設)に比べ、敷地面積と総ガス処理量では40%小さい一方、ヘリウム生産量では上回ると同社は説明しています。

 NAHは今回の生産開始に伴い、同州スウィフト・カレントでカナダ初となる地域ヘリウム液化施設を計画しており、現在は最終投資決定(FID)と資金調達の発表に向けて作業を進めています。将来的に地域内での液化処理を可能にすることで、米国へのトラック輸送コストとエネルギー消費の削減を目指す方針です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)