高市総理とトランプ米大統領は日米首脳会談で、AI、半導体、重要鉱物など経済安全保障分野の協力をさらに前進させることで一致。日本は湾岸諸国の経済・エネルギー強靱化に向けた包括的な協力計画も策定している。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
高市総理大臣は9月23日、国連総会出席に伴う内外記者会見で、トランプ米大統領との首脳会談においてAI、半導体、重要鉱物などの分野で協力をさらに前進させることで一致したと発表しました。同時に、中東の湾岸諸国の経済・エネルギー強靱化に向けた「包括的な協力計画」を策定中であることを明らかにしました。世界銀行グループを通じた重要鉱物サプライチェーン支援や、10月招集予定の臨時国会において「原油調達多角化に関する法案」などの法整備を進める考えも示され、エネルギーや高度部材の確保に向けた取り組みが多角的に示されています。
本文
高市総理大臣は9月23日、国連総会開催中の米ニューヨークで内外記者会見を行い、一連の外交成果と経済安全保障・供給網政策に関する取り組みを公表しました。会見に先立ち行われた日米首脳会談において、高市総理とトランプ米大統領は日米同盟の維持・強化を確認したうえで、経済安全保障分野における協力をさらに前進させることで一致しました。
具体的には、AI、半導体、重要鉱物などの分野で、技術競争と強靱性向上に向けてこれまで進めてきた協力をさらに前進させる方針で一致しました。両国による新たな投資額や個別企業の商談妥結などが決定されたわけではありませんが、経済安全保障の基幹分野における二国間協力を一層確実にする方針が示されました。
また、エネルギー基盤の安全確保策として、中東の湾岸諸国との協力枠組みを強化する方針も提示されました。高市総理は国連一般討論演説および記者会見において、インド太平洋地域での「パワー・アジア(アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ)」に加える形で、現在、湾岸諸国との包括的な協力計画を取りまとめていると表明しました。ホルムズ海峡における自由で安全な航行の確保など国際公共財としての海洋秩序維持を呼びかけるとともに、湾岸諸国との連携を通じて世界的なエネルギーの安定供給につなげる考えです。
重要鉱物の供給網強化に向けては、多国間枠組みを通じた支援策が組み込まれています。演説の中では、鉱物資源の産出国が採掘のみならず精錬・加工段階でも主導的役割を果たせるよう支援する「RISE(強靱で包摂的なサプライチェーンの強化)」パートナーシップに言及しました。日本は世界銀行グループと「RISE+」を立ち上げ、2000万ドル規模のファシリティーを設置しており、重要鉱物サプライチェーンに必要なインフラ整備や民間資本動員を支援する具体策を推進しています。
国内法制を巡っては、10月5日招集予定の臨時国会において「原油調達多角化に関する法案」などの法整備を進める考えが示されました。このほか、広島AIプロセスや高性能AIのリスクへの安全性協力など一連の取り組みを加速させるため、「AIサミット」を早期に日本で開催したいとの意向も表明されました。日米での協力前進、湾岸諸国との計画策定、世銀を通じた鉱物支援、国内での法整備推進という異なるステータスの政策を並行させ、エネルギーや先端部材の供給リスクに対処する姿勢が整理されています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













