熊本地震、震度1以上802回 震度5弱以上の可能性は当初の10分の1、なお平常時の10倍

2026年09月27日 08:06

今回のニュースのポイント

7月28日に熊本県熊本地方で発生したマグニチュード(M)7.1(暫定値)、最大震度7の「令和8年熊本地震」から約2カ月が経過しました。気象庁が9月24日に公表した第12報によると、7月28日の本震を含め、同日9時までに震度1以上を観測した地震は802回に達しました。一方、発生直後に比べれば地震活動の頻度は低下しており、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性は、発生当初の10分の1程度まで下がりました。ただし、平常時と比べればなお10倍程度であり、気象庁は「平常時より地震発生数の多い状態は当分続く」として日頃の備えを呼びかけています。

■7月28日に最大震度7、その後802回

 令和8年熊本地震は、7月28日16時27分に発生しました。震源は熊本県熊本地方(深さ16キロ・暫定値、M7.1・暫定値)で、熊本県宇城市と氷川町で最大震度7を観測したほか、中部地方から九州地方にかけて震度6強〜1の揺れが観測されました。発震機構は北北西―南南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内で発生した地震でした。

 気象庁のまとめ(日別別表)によると、7月28日の本震を含め、9月24日9時までに震度1以上を観測した地震は計802回となりました。最大震度別の内訳は以下の通りです。

・震度7:1回

・震度5弱:5回

・震度4:24回

・震度3:74回

・震度2:190回

・震度1:508回

 なお、震度5強、6弱、6強を観測した地震はありませんでした。

■1日194回から数回へ、発生頻度は低下

 累計802回という数値に対し、時間軸に沿った日別の推移を見ると地震活動の変化が確認できます。

 地震発生当日の7月28日は、16時以降の約7時間だけで震度1以上を194回観測しました。翌29日も144回、30日は62回、31日は34回と、発生直後は極めて高い頻度で地震が相次ぎました。

 その後は徐々に減少傾向をたどり、8月10日以降は1日に20回を超えた日はありません。9月に入ると1日数回程度の日が中心となり、9月12日には地震発生後初めて震度1以上を観測した地震が0回となりました。

 ただし、活動が収束したわけではありません。直近2週間でも、最大震度4の地震1回を含め、震度1以上の地震が38回発生しています。気象庁は「この2週間で、最大震度4の地震1回を含め、最大震度1以上の地震が38回発生するなど、平常時より地震発生数の多い状態は当分続く」と指摘しています。

■「当初の10分の1」、それでも「平常時の10倍」

 今回の第12報で示された見通しにおいて注目されるのが、今後の地震発生可能性についての評価の変化です。

 地震調査研究推進本部の報告書に基づく評価(9月24日0時を起点とした3日間の発生確率)によると、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性は、7月28日のM7.1の地震発生直後と比べて「10分の1程度」まで低下しました。また、気象庁が「地震の発生する可能性は高い」状態と判断する基準としている「1カ月に1回程度の発生に相当する確率値」も下回りました。

 一方で、平常時(地震が発生する前の確率)との比較では、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性はなお「10倍程度」高い状態にあります。

 ここで示されている数値は、特定の日に必ず地震が起きることを意味するものではなく、あくまで確率計算に基づく比較です。「発生可能性が低下した」ことと「平常時の状態に戻った」ことは同義ではない点に注意が必要です。

■呼びかけの段階も変化

 気象庁は9月15日時点では、見通しとして「今後1週間程度、最大震度5弱程度以上の地震に注意」とする見解を示していました。今回の第12報では、最大震度5弱程度以上の発生頻度が「1カ月に1回程度に相当する確率値」を下回ったことを受け、今後の留意事項の表現が更新されました。

 ただし、これは危険が完全に去ったことを意味するものではありません。気象庁は、揺れが強かった地域を含め、日本国内ではいつどこで規模の大きな地震が発生してもおかしくないとして、日頃からの家具の固定や非常用持ち出し袋の確認など、地震・津波への備えを呼びかけています。

■地殻内地震ごとの異なる推移

 気象庁の速報資料では、1995年の兵庫県南部地震、2000年の鳥取県西部地震、2004年の新潟県中越地震、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、過去に発生した主な地殻内地震(M3.5以上)の回数推移も補助材料として提示されています。

 これらのデータを比較すると、大地震が発生した後の地震回数やその後の推移は、地震によって異なることが確認できます。過去の事例を一律の基準としてあてはめることはできず、それぞれのケースにおいて観測データに基づいた評価が求められます。

■数値の客観的確認と備えの継続

 7月28日の発生から約2カ月。「802回」という累計数値からは一連の地震活動の規模が示され、「当初の10分の1」という数値からは直後の急激な頻度から落ち着きを見せている状況が読み取れます。そして「平常時の10倍」という数値は、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性が、なお平常時より高い状態にあることを示しています。

 気象庁が公表した客観的なデータを冷静に確認し、平常時より地震の多い状態が当分続くという見通しを踏まえ、日頃の防災対策を継続することが重要となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)