今回のニュースのポイント
総務省は8月28日、政府が熊本地震への対応などとして一般会計予備費1468億円の使用を閣議決定したことに伴い、復旧事業に伴って生じる地方自治体の負担に対する財政措置の予定を関係都道府県に通知した。政府が被災者支援や災害廃棄物処理、道路復旧などの国費を追加投入する一方、事業の実施には地方自治体側にも一定の負担が発生する。今回の措置は、その地方負担分について地方債の発行を認めるとともに、後年度の元利償還金を地方交付税や特別交付税で手厚く補填する二段構えの仕組みが中心となる。
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政府は8月28日、熊本地震に伴う復旧・支援策などを盛り込んだ令和8年度一般会計予備費1468億円(正確な閣議決定額は1467億6582万3000円)の使用を閣議決定しました。これを受け、総務省は同日、予備費使用に伴って発生する「地方自治体側の負担」を支援するため、追加の財政措置を講じる予定である旨を関係都道府県の財政担当課等へ通知しました。
災害復旧において、国費(補助金等)が投入される場合であっても、事業の実施に伴い一定の地方負担(自己負担)が発生します。財政基盤が揺らぐ被災自治体が復旧事業を円滑に進められるよう、国は地方債(借入金)の発行を認めつつ、その返済分などを地方交付税で支える仕組みを用意しています。
■投資的経費は原則100%まで起債可能、一部は元利償還金の95%を交付税算入
総務省の通知によると、今回の予備費使用によって新たに追加される投資的経費(公共事業など)に係る地方負担額については、原則として100%まで「地方債」を充当(借入)できる扱いとします(災害復旧事業債は通常の充当率を適用)。
その上で、発行した地方債の「後年度における元利償還金(返済額)」について、以下のような特例的な地方交付税措置を講じる予定です。
国庫補助を受けて行う「補助災害復旧事業債」では、後年度の元利償還金の95%を公債費方式により普通交付税の「基準財政需要額」に算入します。
また、熊本県については、小規模事業者等支援や、児童福祉・医療・社会福祉施設の災害復旧、農業・水産関係の一部事業を災害対策債の対象とします。これらの事業や災害廃棄物処理事業に係る災害対策債では、後年度の元利償還金の95%を基準財政需要額に算入する予定です。
■起債できない自治体には「特別交付税95%」で補填
一方、災害対策債の発行要件を満たさない自治体への手当ても盛り込まれました。
児童福祉施設や社会福祉施設、農林水産関係の復旧事業、災害廃棄物処理事業において、災害対策債の発行要件を満たさない地方公共団体に対しては、地方負担額の95%を「特別交付税」で直接措置する予定です。
ただし、すべての事業で一律95%が補助・補填されるわけではありません。
災害救助費については、経費の40%(地方負担額を限度)を特別交付税で措置します。さらに、その措置後に残る地方負担額に係る災害対策債については、後年度の元利償還金の57%を特別交付税で措置する予定です。また、地方自治体が単独で行う「一般単独災害復旧事業債」の元利償還金については、自治体の財政力に応じて47.5%~85.5%を基準財政需要額に算入するなど、事業の性質や制度区分ごとに支援割合が細かく設定されています。
■国費投入と地方負担支援の「二段構え」
今回の財政措置の前提となる一般会計予備費1468億円の内訳には、災害廃棄物処理事業(369億6000万円)、道路等災害復旧事業等(259億8797万8000円)、被災者生活再建支援(26億298万5000円)、被災農業者支援事業(81億5244万4000円)、小規模事業者等支援推進事業(60億円)、旅行需要の早期回復(154億9578万8000円)などが盛り込まれています。
政府が巨額の国費を追加投入して直接的に被災地を支援すると同時に、復旧に伴って現場の自治体に生じる地方負担についても、地方債と地方交付税を組み合わせて後年度の負担に対応する――。今回の総務省通知は、そうした復旧事業を後押しする二段構えの財政支援構造を示したものといえます。
なお、熊本地震で被災した地方公営企業(水道・交通等)が実施する施設の復旧経費に対する財政措置については、地方負担の状況等を踏まえて別途通知される予定です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













