住宅着工、前年比6.1%増も年率換算は2カ月連続減 工場・倉庫も着工減

2026年09月30日 16:14

画・建設業の人材確保・育成支援のため助成金など、国が予算概要を取りまとめ。

建築工事現場。8月の新設住宅着工は前年同月比6.1%増となった一方、季節調整済み年率換算値は前月比2.7%減少。民間非居住用建築物では工場や倉庫の着工床面積が前年同月を下回った(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

8月の新設住宅着工戸数は前年同月比6.1%増となり、5カ月連続で前年を上回りました。持家、貸家、分譲住宅の主要3区分がそろって増加した一方、季節調整を行った年率換算値は75万3000戸と前月比2.7%減り、2カ月連続の低下となりました。さらに企業の建築動向を示す民間非居住用建築物の着工床面積も前年同月比8.5%減少し、なかでも工場が32.7%減、倉庫が18.0%減と落ち込みました。住宅と非住宅、前年同月比と季節調整済み前月比で異なる動きがみられます。

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 国土交通省が30日に発表した8月の建築着工統計によると、新設住宅着工戸数は6万3974戸となり、前年同月を6.1%上回って5カ月連続の増加となりました。ただ、季節変動の影響を取り除いた年率換算値では75万3000戸となり、前月から2.7%減少して2カ月連続で低下しました。また、企業による非住宅建築においても工場や倉庫の着工床面積が前年から大幅に減少しており、建築着工の動きには指標や用途によって差がみられます。

 まず住宅着工における前年比6.1%増の内訳をみると、持家、貸家、分譲住宅の主要3区分がいずれも増加しました。持家が1万7713戸(前年同月比1.0%増)、貸家が2万8309戸(6.5%増)、分譲住宅が1万6838戸(6.4%増)となっています。分譲住宅のうちマンションも6475戸(5.3%増)、一戸建て住宅も1万182戸(7.5%増)とそれぞれ伸びており、前年同月比の比較においては特定の用途に偏ることなく伸びがみられました。

 一方、前年同月との比較では増加が続くものの、季節調整を施して前月からの動きをみると、年率換算値は2カ月連続で減少しており、二つの比較軸で方向が異なっています。

 地域ごとのばらつきも顕著です。首都圏が9.2%増、中部圏が11.0%増、近畿圏が12.3%増と、三大都市圏はいずれも前年同月を上回った一方、その他地域は2.0%減と前年を下回りました。さらに細かくみると、近畿圏では分譲マンションが61.9%増と大きく伸びたのに対し、中部圏では分譲マンションが55.9%減となるなど、全国一律の増加傾向ではないことが示されています。

 さらに今回の統計で非住宅分野をみると、企業による非住宅建築(民間建築主)の伸び悩みが確認できます。8月の民間非居住用建築物の着工床面積は215万平方メートルで、前年同月比8.5%減少しました。使途別では、事務所が28万平方メートル(前年同月比1.7%増)と増加したものの、店舗が25万平方メートル(7.1%減)、工場が34万平方メートル(32.7%減)、倉庫が49万平方メートル(18.0%減)と、いずれも前年同月を下回りました。

 産業分類別の着工床面積でも、製造業用が41万平方メートル(前年同月比34.9%減)、情報通信業用が1万平方メートル(90.4%減)と、前年実績から大幅な縮小を示しています。ただし、大型の工場や通信施設などの建築物は個別の事業計画や着工時期によって月次の振れ幅が非常に大きくなる特徴があります。8月単月の着工床面積の減少のみをもって企業の設備投資計画全体が後退したと断定することはできず、中長期的な動向を見極める必要があります。

 8月の建築着工は、住宅着工戸数が前年同月比で5カ月連続の増加となった一方、季節調整済み年率換算値は2カ月連続の減少となりました。非住宅でも工場や倉庫などの着工床面積が前年を下回っています。前年比でのプラスが続く住宅着工が今後、季節調整済みの前月比でも持ち直しに転じるか、非住宅分野の推移とあわせて今後の着工動向が注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)