首都高の発炎筒、納品方法見直しで9141万円節減可能 会計検査院が指摘

2026年10月03日 08:29

画・高速道路

高速道路の維持補修工事や清掃などで使われる発炎筒。会計検査院は、首都高速道路会社の発炎筒調達について、納品条件の見直しで9141万円余りを節減できたと指摘した(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

首都高速道路会社が調達する発炎筒について会計検査院が調査したところ、翌日納品や休日納品としていた注文の中に、2日後納品や平日納品でも業務に支障がなかったものが多数含まれていたことが判明しました。2023・2024年度の2契約では計297万4075本(約23億4570万円)を調達。このうち翌日または休日指定で納品された121万3475本を検証した結果、97.2%に当たる118万225本は、より安い納品条件に変更しても現場の作業に影響しなかったと試算されました。会計検査院は、納品方法の見直しにより9141万円余りの節減が可能だったと指摘。首都高速道路会社は2026年7月に運用マニュアルを改正し、同年8月から原則として2日後・平日納品とするルールへ改訂しています。

本文
 高速道路の工事現場や清掃作業などで、交通規制の安全確保用として目にする「発炎筒」。普段意識することは少ない資材ですが、実はその調達における「納期の早さ」や「納品曜日」の条件によって、1本あたりの単価に違いが存在します。

 調達契約では「翌日納品」と「2日後納品」、「平日納品」と「休日納品」といった指定パターンが設けられており、納期と納品日の組み合わせに応じて、発炎筒の種類ごとに単価が設定されています。最も安いのは「2日後+平日」の組み合わせで、逆に「翌日+休日」という急ぎの配達を指定すると、1本あたり100円から110円高くなる設定になっていました。

 首都高速道路会社が2023年度および2024年度の2契約で調達した発炎筒は、合計297万4075本、支払額にして23億4570万円余りに上ります。利用規模が大きいだけに、1本あたりのわずかな単価差も全体では大きな金額に膨らみます。

 会計検査院がこの調達実績を確認したところ、全体の4割超に当たる121万3475本(40.8%)が、単価の高い「翌日納品」または「休日納品」で手配されていました。維持補修等業者に理由を確認したところ、使用する発炎筒が不足しないよう、早く納品できる翌日納品や休日納品を指定したなどとしていましたが、その必要性を具体的に確認できないものがほとんどでした。

 維持補修工事や清掃作業の大半は計画的に実施されており、緊急的に実施されるものもある一方、発炎筒の使用予定数量や使用時期が明確な業務が大部分を占めています。そこで会計検査院が、各現場の保管数量や使用実績をもとに「2日後納品」や「平日納品」に変更した場合の試算を行ったところ、翌日・休日指定だったうち118万225本(97.2%)は、納品条件を緩めても在庫切れを起こさず、業務に支障が出なかったことが確認されました。

 この試算に基づき、より安価な納品条件へ変更していた場合、2契約合計で9141万円余りの調達費用を節減できたと会計検査院は認めています。

 指摘を受けた首都高速道路会社は、2026年7月に発炎筒の管理・運用マニュアルを改正しました。同年8月からは原則として「2日後納品・平日納品」とする運用に改められ、翌日や休日の納品を指定する場合には、納品依頼時に理由の確認を行う仕組みが導入されています。

 発炎筒のように日常ではあまり意識しない資材でも、納品を1日早めるか、休日に届けるかという条件の違いが、約300万本の調達では大きな金額差になります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)