東京応化、福島に230億円投じた半導体材料新棟が竣工 EUV用レジストなど供給基盤強化へ

2026年10月08日 16:34

郡山工場

東京応化工業が福島県郡山市の郡山工場に新設した半導体用フォトレジストの製造棟。同社は約230億円を投じて建設を進め、2026年10月8日に竣工した。稼働開始は同年11月を予定している。(画像提供:東京応化工業)

今回のニュースのポイント

東京応化工業は10月8日、福島県郡山市の郡山工場において、半導体用フォトレジストの増産に向けた新製造棟が竣工したと発表しました。投資金額は約230億円で、建築面積は4800平方メートルとなります。2024年7月に着工し、2026年11月の稼働開始を予定しています。同社は新製造棟をフォトレジスト向けとして世界最大級と位置づけており、EUV(極端紫外線)用やArF(フッ化アルゴン)用など先端半導体材料の需要拡大に対応します。製造ラインには自動化とデジタル化を導入し、品質向上と安全性・生産性の高度化を図る方針です。本投資による影響は2026年8月公表の連結業績予想に織り込み済みとしています。

本文
 半導体製造用化学材料で大手の東京応化工業は2026年10月8日、福島県郡山市に置く主要拠点「郡山工場」において、半導体用フォトレジストの新製造棟が竣工したと発表しました。今回の設備投資における投資金額は約230億円で、建築面積は4800平方メートルに及びます。2024年7月に着工し、2026年10月8日に竣工しました。稼働開始は同年11月を予定しています。中長期的な半導体市場の成長と技術革新を見据え、先端領域を中心とした半導体用材料の品質向上および安定供給体制の拡大を目的とした大型投資となります。

 フォトレジストは、半導体の製造工程においてシリコンウエハ上に微細な電子回路パターンを転写形成する際に不可欠な感光性化学材料です。半導体素子の微細化や高性能化に伴い、材料に求められる品質や純度に対する要求は一層高まっています。郡山工場は、EUV(極端紫外線)露光用やArF(フッ化アルゴン)露光用をはじめとする各種の先端半導体用フォトレジストを供給する同社の主要生産拠点となっています。今回の新製造棟整備により、最先端分野から広範な半導体分野に至る需要に対応するための製造基盤の拡充を図ります。

 同社は、今回竣工した新製造棟について「フォトレジストの生産施設としては世界最大級」と位置づけています。先端半導体の製造には高精度かつ安定した品質の材料供給が不可欠であり、世界規模でのサプライチェーン構築が各半導体メーカーにとっての課題となるなか、同社は主要材料の増産拠点として本施設の整備を進めてきました。世界最大級のスケールを持つ新製造棟を導入することにより、先端フォトレジストの市場需要に対する安定供給能力を高め、グローバルな需要増加に対応する事業基盤をさらに強固なものとしていく考えです。

 新製造棟の内部においては、製造ラインの自動化およびデジタル技術を活用したシステム化を徹底し、生産体制の高度化を図っています。人的負荷の低減と安全性の格段な向上を図る「人に優しい」スマートファクトリーの実現を追求するとともに、高度な制御システムを通じて高品質なフォトレジストの安定的な製造を目指します。微細化が進む最先端半導体材料では微小な異物混入や品質のばらつきが致命的となるため、ラインの自動化やデジタル管理を通じて高度な品質管理体制を維持し、生産効率と安定的な品質確保を両立させる構えです。

 事業の時系列としては、2024年7月の着工から建設期間を経て、2026年10月8日に新製造棟の建物および設備の完成を示す「竣工」を迎えました。同社は2026年11月の稼働開始を予定していますが、商業生産や製品出荷の具体的な開始時期は明らかにしていません。今回の発表はあくまで施設の竣工と稼働予定時期を公表したものであり、現時点で製品出荷が開始されたわけではなく、今後の実際の稼働に向けた段階として示されています。

 今回の新製造棟整備は、同社が掲げる中期経営計画「tok中期計画2027」の基本方針に沿った取り組みの一環です。同計画では、強固なサプライチェーンの構築と高付加価値製品の供給能力拡大を重要戦略として掲げており、今後も高品質な半導体材料の安定供給に向け、生産基盤と研究開発基盤双方の強化を目指した積極的な設備投資を検討していく方針です。なお、今回の新製造棟竣工に伴う当期の業績への影響につきましては、2026年8月6日に同社が公表した連結業績予想のなかにあらかじめ織り込み済みであるとしています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)