9月のマネーストックM2、前年比2.0%増 広義流動性は4.3%増、投資信託が伸長

2026年10月14日 12:01

日銀1

日本銀行本店。日銀が2026年10月14日に公表した9月のマネーストック速報によると、M2の前年同月比伸び率は2.0%で、前月と同水準だった。(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

日本銀行が10月14日に発表した2026年9月のマネーストック速報によると、M2の月中平均残高は1,295.6兆円(前年同月比2.0%増)となり、前月と同水準の伸び率となりました。M3は1,638.3兆円(同1.2%増)、広義流動性は2,344.3兆円(同4.3%増)でした。広義流動性の内訳では投資信託が128.8兆円(同14.0%増)と高い伸びを示し、集計対象による資金量の動きの違いが示されています。

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 日本銀行が2026年10月14日午前8時50分に公表した「マネーストック速報(2026年9月)」によると、代表的な通貨指標であるM2の月中平均残高は1,295.6兆円となり、前年同月比2.0%増となった。前月(8月)の伸び率と同じ2.0%増で横ばいとなった。M3の月中平均残高は1,638.3兆円で前年同月比1.2%増、M3に投資信託などを加えた広義流動性は2,344.3兆円で同4.3%増だった。

 マネーストックは、一般法人、個人、地方公共団体などの「通貨保有主体」が保有する通貨量の合計を集計した統計であり、経済全体で流通する資金規模を把握する指標として用いられる。金融機関や国が保有する通貨は除外されている。

 M2(現金通貨と預金通貨などの合計)の前年同月比伸び率の推移を見ると、2026年4月が2.3%増、5月が2.5%増、6月が2.2%増、7月が2.1%増、8月が2.0%増、9月が2.0%増となった。5月をピークに伸び率自体は穏やかに低下傾向を示したものの、8月と9月は同水準を維持した。なお、前年比の伸び率低下は増勢の鈍化を示すものであり、残高そのものの減少を意味するものではない。

 内訳を観測すると、構成項目によって動きが分かれた。現金通貨の月中平均残高は109.4兆円(前年同月比1.3%減)でマイナス傾向が続いた。預金通貨は972.5兆円(同0.0%)で前年並みの水準となった。一方、定期性預金や外貨預金などを含む準通貨は535.7兆円(同4.7%増)となり、8月の4.3%増から伸び率が拡大した。

 M3よりも集計対象を広げた広義流動性の月中平均残高は2,344.3兆円で、前年同月比4.3%増となった。8月の4.4%増から伸び率は0.1ポイント低下したものの、M2の2.0%増やM3の1.2%増と比べて相対的に高い伸びを保っている。

 広義流動性の構成項目では、投資信託(証券投資信託および不動産投資信託の累積純投資額)の月中平均残高が128.8兆円となり、前年同月比14.0%増となった。8月の13.8%増を上回る伸長を記録している。また、金銭の信託(年金信託・証券投資信託を除く)は492.8兆円で同12.0%増、国債(国庫短期証券および財投債を含む)は48.8兆円で同19.5%増となった。

 各指標の伸び率に違いが生じるのは、集計に含まれる金融商品の範囲が異なるためである。M2やM3が主に現金や預金類を集計するのに対し、広義流動性は投資信託、金銭の信託、金融機関発行CP、国債、外債など多様な金融資産を包含している。

 なお、今回の統計数値から「預金から投資信託へ直接資金が移動した」ことや、「金利環境の変化が家計の預金行動を変えた」といった因果関係を直接断定することはできない。こうした資金循環の具体的な流出入経路や投資行動の分析には、資金循環統計など他の詳細資料による検証が必要となる。また、日銀は2026年1月以降の計数を今回訂正しており、公表された最新の改定値に基づく観察が求められる。

 9月のマネーストック統計では、主に預金を中心とするM2の前年比伸び率が2.0%増にとどまったのに対し、投資信託や信託などを包括する広義流動性は4.3%増、うち投資信託は14.0%増という高い伸びを示した。国内における通貨・資金量の動向を把握する際には、M2の指標のみならず、集計範囲の異なる広義流動性の動きと構造の違いを踏まえて多角的に数値を参照する必要がある。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)