独Wiegand-Glas、4工場の生産計画をデジタル化へ 需要予測と在庫管理の最適化を目指す

2026年10月21日 11:26

ドイツイメージ

ガラス容器の製造ラインと、生産データや工程スケジュールを表示した管理用モニターのイメージ。ドイツのガラス容器メーカーWiegand-Glasは、国内4製造拠点を対象にElisa Industriqの生産計画ソリューションを採用し、需要予測や在庫管理、生産スケジューリングの高度化を目指しています。(イメージ画像)

今回のニュースのポイント

フィンランドのElisaグループ傘下のElisa Industriqは10月20日、ドイツのガラス容器大手Wiegand-GlasがsedApta部門のサプライチェーン計画ソリューションを採用したと発表しました。対象はドイツ国内の4製造拠点です。1日800万個を超える既存のガラス容器生産能力を背景に、需要予測や在庫管理、工場スケジュールをデジタル化・連携させ、意思決定の高度化を目指します。なお、今回の導入による増産ではありません。

本文
 フィンランドのIT・通信大手Elisaグループ傘下のElisa Industriq(エリサ・インダストリク)は2026年10月20日、ドイツの容器ガラス製造大手Wiegand-Glas(ヴィーガント・グラス)が、同社のsedApta(セダプタ)部門によるサプライチェーン計画ソリューションを採用したと発表しました。今回のシステム導入は、Wiegand-Glasがドイツ国内に有する4つの製造拠点を対象として実施されます。データに基づく需要予測や在庫管理、生産スケジュールの最適化を進め、大規模な製造現場におけるオペレーションの効率化を図る取り組みです。なお、システムの稼働開始時期や導入費用などは公表されていません。

 Wiegand-Glasは、飲料や食品業界向けを中心に包装容器を展開するドイツの主要ガラスメーカーです。同社はバイエルン州のシュタインバッハ・アム・ヴァルト、ならびにテューリンゲン州のエエルンストタール、グロースブライテンバッハ、シュロイシンゲンの計4拠点において、1日あたり800万個を超えるガラス容器を生産しています。また、グループ全体ではPETプリフォームおよびPET容器も1日800万個以上生産する大規模な生産基盤を有しています。これらの生産量は既存の生産規模を示す数値であり、今回のソフトウェア導入に伴って新たに増産される数量を示すものではありません。

 今回導入されるソリューションは、需要計画、在庫管理、中長期的な生産計画、および工場ごとの詳細な生産スケジューリングを統合的に改善するために活用されます。各製造拠点における計画の可視性を高めることで、移り変わる顧客需要や適切な在庫水準、各工場の稼働能力を総合的に捉え、最適な生産体制を組むことを目的としています。

 ガラス製造プロセスでは、長期間の連続的な生産計画や製造上の制約が存在するため、長期にわたる安定的な生産計画と柔軟な需要対応の両立が課題となります。Elisa Industriq側によると、導入されるシステムでは複数の計画シナリオをシミュレーションし、需要や在庫、設備能力のバランシングを比較検証できる仕組みが提供されます。これにより、市場変動に応じた計画変更の影響を事前に検討し、意思決定の精度向上を図ります。

 Wiegand-Glasのマネージングディレクターの一人であるルーカス・ノイバウアー氏は、今回の取り組みにおいて、計画プロセスの標準化、需要予測に用いるデータ基盤の一元化、ならびに半自動での生産提案機能の導入を目指す考えを示しています。各種の制約条件や主要業績評価指標(KPI)を考慮しながら対話的にシミュレーションを行うことで、現場と経営陣が生産計画の判断根拠を共有しやすくすることを目指しています。なお、半自動の生産提案は判断業務を補助するものであり、工場の完全自動運転や無人化を意味するものではありません。

 新たな計画環境の整備により、営業、生産、計画、経営といった関係各部門が共通のデータ基盤に基づいて情報を共有しやすくすることを目指しています。部署間の連携を強化することで、顧客の急な要求変更や供給網の混乱に対しても、複数工場を跨いだ柔軟な供給調整が行える体制を整える狙いがあります。

 Wiegand-Glasはガラス、PET、物流、エネルギーの各事業領域を手掛ける家族経営の企業グループであり、2025/2026会計年度の年間売上高は7億3000万ユーロ、世界全体で2100人を超える従業員を擁しています。一方、ソリューションを提供するElisa IndustriqのsedApta部門は、製造業やサプライチェーン分野に向けた計画・管理ソフトウェアの開発で実績を有しています。

 今回の発表は、大型の製造設備を有する伝統的なメーカーが、ハードウェアの増設だけでなくソフトウェアやデータの活用を通じて既存工場の生産計画を高度化させるDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きを示す事例と言えます。今後は、4拠点におけるシステム導入の進展とともに、需要変動への対応力向上や業務効率化という目標がどのように達成されていくかが注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)