今回のニュースのポイント
厚生労働省が10月23日に発表した「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)」によると、就職後3年以内の離職率は大卒で31.2%、高卒で36.9%となり、前年卒業者からそれぞれ2.6ポイント、1.0ポイント低下(改善)しました。全体の定着傾向が強まる一方で、事業所規模や産業ごとの差は根強く、従業員5人未満の小規模事業所では大卒離職率が58.2%に達するなど課題も顕在化しています。
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厚生労働省は2026年10月23日、2023年(令和5年)3月に学校を卒業して就職した新規学卒者の「就職後3年以内の離職状況」を公表しました。大学卒業者の3年以内離職率は31.2%となり、前年卒業者(33.8%)と比べて2.6ポイント低下しました。また、高校卒業者の離職率も36.9%と前年(37.9%)から1.0ポイント改善しました。前年卒業者との比較では、大卒・高卒ともに3年以内離職率が低下し、当初の就職先にとどまる割合が高まりました。
しかし、事業所の規模別に離職率を比較すると、企業規模による顕著な格差が浮き彫りになります。大卒就職者の場合、従業員1,000人以上の大規模事業所における3年以内離職率が24.2%にとどまるのに対し、5人未満の小規模事業所では58.2%にのぼり、その差は34.0ポイントに達しています。さらに、大卒者全体の離職率が低下する中で、5人未満事業所の離職率は前年より0.7ポイント上昇しており、小規模組織における人材定着の厳しさが続いています。
同様の構造的課題は高卒就職者においても確認されます。高卒の3年以内離職率は、従業員1,000人以上の事業所で24.4%であるのに対し、5人未満の事業所では61.3%に達し、規模による開きは36.9ポイントに拡大しています。事業所規模が小さくなるほど早期離職率が高まる傾向は大卒・高卒を問わず顕著に表れています。ただし、事業所規模によって離職率に差が生じる理由については、この統計だけでは特定できません。
産業別の離職率(大卒)を見ると、最も高い「宿泊業,飲食サービス業」が49.9%、次いで「生活関連サービス業,娯楽業」が49.8%となり、依然として約半数が3年以内に離職する高水準にあります。ただし前年との比較では、宿泊・飲食サービス業が5.5ポイント減、生活関連サービス・娯楽業が4.9ポイント減と大きく低下しました。高卒でも両産業の離職率は6割を超えていますが、宿泊業・飲食サービス業は前年から3.1ポイント、生活関連サービス業・娯楽業は0.4ポイント低下しました。高い離職率が続く一方、前年卒業者より改善しています。
離職に至る時期の内訳(入社年数別)からは、学歴による傾向の違いが見て取れます。大卒就職者では1年目の離職割合が11.0%、2年目が10.9%、3年目が9.3%と分散しているのに対し、高卒就職者では1年目の離職割合が17.4%に達し、2年目(11.0%)や3年目(8.5%)を上回っています。高卒者は大卒者と比べ、就職1年目に当初の就職先を離れる割合が6.4ポイント高いことが分かります。
厚生労働省は今回の結果を受け、全国の「新卒応援ハローワーク」などを通じた就職後の職場定着支援や、離職者に対するきめ細かな再就職支援を継続する方針です。なお、本調査は雇用保険の加入・脱退情報をもとに算出されており、離職後の再就職状況や失業状態を直接示すものではありません。全体の離職率低下という改善傾向の裏で、規模や業種による偏りが残されていることから、個々の職場環境に即した定着支援が引き続き重要となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













