今回のニュースのポイント
日本取引所グループが2026年10月27日に発表した2027年3月期中間決算は、営業収益が前年同期比46.7%増、営業利益が65.1%増となりました。株券等の1日平均売買代金が89.5%増の11.90兆円となり、取引関連収益が拡大しました。金利スワップ取引の担保管理などによる清算関連収益も増えています。通期業績予想は9月24日の修正値から据え置きました。同社は個人投資家の投資単位を引き下げるため、2027年4月1日付で1株を2株に分割することも決定しました。
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株式会社日本取引所グループが10月27日に発表した2027年3月期中間連結決算(2026年4月1日~9月30日、国際会計基準)は、国内株式市場の取引活況などを背景に大幅な増収増益となりました。売上高にあたる営業収益は前年同期比46.7%増の1,310億200万円、営業利益は同65.1%増の846億6,800万円、税引前中間利益は同66.0%増の854億6,900万円でした。また、最終的な親会社の所有者に帰属する中間利益は同65.6%増の572億1,000万円となり、市場の売買エネルギーの高まりが業績全体を大きく押し上げました。
業績拡大を力強くけん引したのは、現物株式をはじめとする市場取引の大幅な増加です。ETFやREIT等を含む株券等の1日平均売買代金は、前年同期の6.28兆円から89.5%増の11.90兆円へと急拡大しました。市場区分別にみると、東証プライム市場(内国株)が前年同期比103.6%増の9.66兆円と倍増し活況を主導した一方、スタンダード市場は同6.6%増の1,987億円、グロース市場は同2.1%増の2,080億円にとどまり、市場セクションによって売買代金の伸び率に明確な差異がみられました。
収益の内訳をみると、主要部門が総じて堅調に推移しました。現物の売買代金増加を主因に取引関連収益は前年同期比54.9%増の538億7,000万円となり、うち現物取引料は同74.3%増の422億1,000万円に達しました。清算関連収益も金利スワップ取引の担保管理収益の増加などにより、同79.5%増の413億9,900万円と大幅に伸長しました。ただし、清算業務に伴い清算参加者への返戻金等も発生するため、清算収益の増額分がそのまま営業利益の押し上げ額となるわけではない点に留意が必要です。
事業拡大に伴いコストも増加しました。営業費用は前年同期比24.0%増の482億7,000万円となりました。人件費が前年同期比20.3%増の134億9,200万円、システム維持・運営費が同10.6%増の114億700万円となったほか、金利スワップ取引の担保管理に関連する費用の拡大などがその他の営業費用を押し上げました。それでも、市場活況に伴う営業収益の伸び率(46.7%増)が費用の増加率を大幅に上回ったことで、営業利益段階で65.1%の大幅増益を達成しました。
一方、2027年3月期の通期連結業績予想については、2026年9月24日に開示した修正数値を据え置きました。通期の営業収益は前期比27.1%増の2,525億円、営業利益は同32.9%増の1,545億円、親会社所有者に帰属する当期利益は同32.7%増の1,050億円を見込んでおり、今回の決算発表において新たな上方修正は行っていません。年間配当予想についても、中間配当41円と期末配当予想41円を合わせた1株当たり82円とする水準をそのまま維持しています。
資本政策および株主還元策として、同社は株式分割と自己株式の消却を発表しました。2027年3月31日を基準日として普通株式1株につき2株の割合で分割し、2027年4月1日付で効力が発生します。個人投資家の投資単位引き下げが目的であり、2027年3月期の期末配当は分割前の株式数を基準に実施されます。また、同社は自己株式948万6,700株を2026年11月10日付で消却することも決定しました。消却する株式数は、消却前の発行済株式総数の0.92%に相当します。
今回の決算は、日本株市場の取引活況が金融インフラ企業である取引所グループの取引関連収益を押し上げる一方、金利スワップ取引の担保管理などの清算業務も収益拡大に寄与する構造を示しました。もっとも、取引所の業績は市場の売買代金動向に強く左右される特性を持っています。今回の株式分割は個人の売買参入ハードルを引き下げる施策ですが、それ自体で市場の取引増や企業価値向上が確約されるわけではありません。活況を支える投資家層の裾野を広げ、持続的な市場流動性をいかに維持できるかが今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













