宿泊施設が10万4,846施設に増加、前年比6.6%増 クリーニング業は3.8%減 厚労省調査

2026年10月27日 16:55

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厚生労働省の入る中央合同庁舎第5号館の案内板。同省が公表した2025年度衛生行政報告例によると、旅館業の施設数は前年度末比6.6%増の10万4,846施設となった一方、クリーニング業は3.8%減少した。理容所や一般公衆浴場も減少し、生活衛生サービスの業種間で施設数の動きが分かれた。(資料写真)

今回のニュースのポイント

厚生労働省が2026年10月27日に公表した2025年度の衛生行政報告例によると、年度末現在の旅館業は10万4,846施設となり、前年度末比6.6%増加しました。旅館・ホテル営業と簡易宿所営業がともに増えています。一方、クリーニング業は6万6,688施設で3.8%減少し、理容所も1.8%減となりました。美容所は1.4%増加しています。一般公衆浴場は4.2%減少しており、生活衛生関連のサービス業では、業種によって施設数の推移が分かれています。

本文
 厚生労働省が10月27日に公表した「令和7(2025)年度衛生行政報告例の概況」によると、2025年度末現在の全国の旅館業施設数は10万4,846施設となり、前年度末から6,508施設、率にして6.6%増加しました。一方、身近な生活衛生サービスであるクリーニング業は6万6,688施設にとどまり、前年度末比で2,611施設、3.8%減少しました。国内のサービス産業において、宿泊関連の施設数が増加傾向を強める半面、地域の生活に密着した一部の業種では施設数の純減が続いており、業種間で対照的な動きが浮き彫りとなっています。

 旅館業の内訳を営業区分別にみると、全体の過半を占める旅館・ホテル営業は前年度末比7.2%増の5万6,773施設(3,827施設増)、カプセルホテルや山小屋などを含む簡易宿所営業は同6.0%増の4万7,603施設(2,702施設増)となりました。一方で、下宿営業は同4.3%減の470施設(21施設減)と減少しています。旅館業全体としては、2021年度末の8万9,715施設から4年間で1万5,131施設(約16.9%)増加しており、宿泊を目的とした受入基盤の施設数が中長期的に拡大を続けている実態が示されています。

 これに対して、クリーニング業の施設数は長期的な減少傾向から脱していません。2025年度末の施設数は前年度末比3.8%減の6万6,688施設となり、2021年度末の8万162施設と比較すると4年間で1万3,474施設(約16.8%)減少しました。区分別の内訳をみると、洗濯設備を備えた「クリーニング所(取次所を除く)」は前年度末比2.9%減の1万8,683施設、受付窓口となる「取次所」は同4.5%減の4万5,622施設となりました。なお、営業者数として計上される「無店舗取次店」は同3.5%増の2,383業者となっています。

 身だしなみや理美容に関わる対人サービス施設の間でも、推移の方向性に明確な違いがみられます。理容所は前年度末比1.8%減の10万6,083施設となり、2021年度末の11万4,403施設から4年間で8,320施設減少しました。対照的に、美容所は前年度末比1.4%増の28万1,687施設となり、2021年度末の26万4,223施設から増加基調を維持しています。同じ頭髪の手入れなどを提供する施設であっても、開設されている営業形態によって全国的な施設数の増減傾向が二極化しています。

 地域住民の公衆衛生を支えてきた公衆浴場も、施設区分の違いによって異なる推移を示しています。公衆浴場全体としては2万3,627施設で前年度末比0.2%減と小幅な減少にとどまりました。しかし、入浴料金の統制などを受ける「一般公衆浴場(銭湯など)」に限ると、前年度末比4.2%減の2,614施設(116施設減)へと落ち込んでいます。2021年度末には3,120施設存在していた一般公衆浴場が4年間で500施設以上減少した一方、健康ランドやサウナ等を含む「その他の公衆浴場」は2万1,013施設と0.4%増加しています。

 今回の衛生行政報告例の集計結果は、宿泊インフラや美容関連の施設数が全国的に増加する一方で、クリーニング店や理容所、街の公衆浴場といった生活密着型サービスの拠点数が縮小を続けている構造的な変化を捉えています。同報告例は自治体への届出・許可に基づく行政報告を集計したものであり、事業者の売上高や収益性、実際の利用者数の動向を直接表す指標ではありません。サービス産業の動態を把握するにあたっては、こうした開設拠点数の変動と実際の市場需要や経営実態とを明確に区別して整理することが求められます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)