日立、調整後営業益26.6%増の6,432億円 最終利益11.9%減、通期予想を修正

2026年10月28日 15:55

今回のニュースのポイント

日立製作所の2026年4~9月期決算は、売上収益が前年同期比17.3%増の5兆6,140億円、調整後営業利益が26.6%増の6,432億円となる一方、親会社株主に帰属する中間利益は11.9%減の4,166億円となりました。本業の収益性が改善する半面、前年同期に計上した一時的な利益要因の反動などが最終利益に影響しています。同社は2027年3月期の通期業績予想を修正し、中間配当も従来予想の28円から4円引き上げて32円としました。

本文
 株式会社日立製作所が2026年10月28日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期)の連結決算(国際会計基準=IFRS)は、本業の収益拡大と最終減益が対比をなす結果となりました。売上収益は前年同期比17.3%増の5兆6,140億円、売上収益から売上原価および販売費・一般管理費を控除した本業の利益を示す「調整後営業利益」は同26.6%増の6,432億円と大幅な増益を達成しました。一方、親会社株主に帰属する中間利益は同11.9%減の4,166億円にとどまりました。

 事業本来の稼ぐ力を示す収益性は着実に向上しています。売上収益に対する調整後営業利益率は前年同期の10.6%から11.5%へと0.9ポイント改善しました。売上収益の伸び率(17.3%増)を上回るペースで調整後営業利益(26.6%増)が拡大したことが寄与しています。また、調整後営業利益に企業結合に伴う無形資産等の償却費を足し戻した「Adjusted EBITA」も同24.5%増の6,996億円に達し、Adjusted EBITA率も11.7%から12.5%へ0.8ポイント上昇しました。

 本業が増益基調を維持した一方で税引前中間利益や最終利益が減少した背景には、営業損益より下に位置する項目の変動があります。決算短信の損益計算書によると、前年同期に約969億円計上されていた「その他の収益」が今中間期は約26億円へ大幅に減少しました。また、キャッシュ・フロー計算書では、前年同期の事業再編等損益が約960億円の利益に対応するマイナスの調整項目として示されています。今中間期は金融収益が前年同期の約1,023億円から約229億円へと縮小したほか、金融費用も約55億円から約225億円に増加しており、前年同期に発生した一時的な利益要因の反動や金融損益の悪化が最終損益を押し下げる要因となりました。

 事業セグメント別の外部顧客向け売上収益では、主力の社会イノベーション事業が幅広く伸長しました。なかでも送配電設備などを手掛ける「エナジー」の売上収益は1兆8,627億円(前年同期は1兆4,089億円)と大幅に拡大しました。ITサービスやクラウド基盤を担う「デジタルシステム&サービス」も1兆4,497億円(同1兆3,275億円)へと堅調に推移し、鉄道システムの「モビリティ」も6,922億円(同5,853億円)に伸びています。海外市場における展開も加速しており、全体の海外売上収益は同21.8%増の3兆7,419億円となり、全社売上収益に占める海外比率は前年同期の64%から67%へと3ポイント上昇しました。

 同社は中間期の進捗を踏まえ、2027年3月期の通期連結業績予想を修正しました。修正後の通期予想は、売上収益が前期比13.3%増の12兆円、調整後営業利益が同20.9%増の1兆4,500億円、Adjusted EBITAが同19.0%増の1兆5,600億円を見込んでいます。税引前当期利益は同7.6%増の1兆3,700億円、親会社株主に帰属する当期利益は同14.7%増の9,200億円を計画しています。

 株主還元については、同日開催の取締役会において中間配当を当初予想の1株当たり28円から4円引き上げ、32円とすることを決議しました。前年同期実績の23円と比較すると9円の増配となり、配当金総額は1,426億2,600万円となります。効力発生日は2026年11月27日を予定しています。なお、2027年3月期の期末配当予想および年間配当予想については、現時点で未定としています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)